2020 Fiscal Year Research-status Report
「プログラミング的思考」と「アート的思考」を統合的に捉えた言語活動の研究
Project/Area Number |
19K02820
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
渡辺 哲男 立教大学, 文学部, 教授 (40440086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山名 淳 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (80240050)
勢力 尚雅 日本大学, 理工学部, 教授 (80459859)
柴山 英樹 日本大学, 理工学部, 准教授 (60439007)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 演劇 / 詩的な言葉 / 言語教育 / 言語活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はコロナ禍の影響もあり、予定していた資料調査などを行うことができなかった。また、当初構想していた研究メンバーでの学会発表も行うことができなかった。しかしながら、「プログラミング的思考」と「アート的思考」を統合的に捉えた言語活動を検討するための重要なキーワードとして「演劇」を見出すことができ、その予備的考察を行い、あるいは専門的知見を提供いただく機会を得ることができた。本科研メンバーが2019年に刊行した『言葉とアートをつなぐ教育思想』の続篇的構想を執筆した文章を発表した(勢力・渡辺 2020)が、このなかで渡辺が「演劇」をケースとする構想を論じている。また、年度末には、倫理学の研究者で、近年舞踊や演劇、劇作の活動を行っている方をお招きし、オンラインで講演をしていただく機会をもった。次年度は、「演劇」をケースとした本格的な研究を発表することをめざしたい。 また、昨年度より継続して検討している「詩的な言葉」の問題については、渡辺(2021)、より大きな言語教育の課題を欧米の思想を踏まえて論じたものとして、柴山(2020)を発表している。「教育」という営為の中で、「詩的な言葉」を生み出すことが「目的」とされるときに生じる問題については、次年度も引き続き検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度行おうと計画していた国内調査がコロナ禍の影響で行えなかったため。また、学会がオンライン形式となったこともあり、こうした状況で科研メンバーでの共同発表をいかように行うか方針が一本化できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は最終年度となるので、「演劇」をキーワードにした研究を本格的に進め、研究メンバーで共同の発表ができるようにしたい。現時点では福田恆存、坂部恵、あるいは太田省吾などの演劇論、言語論などを参照したいと考えている。可能ならば共同で学会発表を行い、年度末には研究成果報告書を刊行し、研究成果を幅広く共有出来るようにしたい。
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Causes of Carryover |
当初計画していた国内での資料調査がコロナ禍で行えなくなり、執行することができなかったため、また、当初計画していた研究会での講演が同様に行えなかったため、次年度使用額が生じた。2021年度中に、状況が許せば上記の資料調査を実施し、講演を計画したい。その他、「演劇」と言語活動に関する研究を進めるための文献や備品購入をし、年度末に研究成果報告書を印刷、郵送する費用として使用する予定である。
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Remarks |
書評:勢力尚雅「永守伸年著『カント 未成熟な人間のための思想―想像力の哲学』南山大学社会倫理研究所編『社会と倫理』35、2020年、248-252。渡辺哲男「時津啓著『参加型メディア教育の理論と実践:バッキンガムによるメディア制作教育論の新たな展開をめざして』」『教育哲学研究』122、2020年、65-70。 その他:勢力尚雅「想像力と倫理」の趣旨説明と司会、日本倫理学会70回大会 2020年。
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Research Products
(6 results)