2021 Fiscal Year Research-status Report
Class design of world history teachers to foster citizenship
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19K02826
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
空 健太 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (30548285)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ケース・スタディ / 単元 / グローバル・シティズンシップ / 社会正義 / 困難な歴史 / 倫理的判断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本と米国の世界史教師の教室での営みの比較・考察を通して、市民性を育成する世界史教育を解明し、それに基づく提案を行うことで、日本の世界史教育の改革に貢献することをねらいとしている。本研究は、国際的な比較研究としての意義と、教室を基盤とした複数ケース・スタディによる実証的研究としての意義がある。 本研究の第3年次は、主に次の4点を行った。一点目は、先行研究の追加及び分析である。昨年度研究の進捗に応じて再設定したキーワード(グローバル・シティズンシップ、社会正義など)に関連する先行研究を収集・考察し、実施したケース・スタディを比較し、総括する視点を確認した。二点目は、学習指導要領(平成29年、平成30年告示)の中学校「社会科」、高等学校の「歴史総合」「日本史探究」「世界史総合」などの歴史領域科目について、それぞれの特徴と課題を考察した。特に、資質・能力の育成や主体的・対話的で深い学びという文脈において、「単元(Unit)」で学習を構成することが重要な課題となっていることを確認した。三点目は、個々のケース・スタディの整理と分析を進め、「困難な歴史」のような新しいキーワードを見出し、それに関連する文献を収集した。四点目は、ケース・スタディの方法論の整理を進めた。以上を踏まえ、本研究が行なってきた日米の教師の個々のケース・スタディをどのように総括するかの視点の方向性を確認した。なお、本研究は1年延長申請を行い、延長した1年間で、個々のケース・スタディについて学会や論文などで報告するとともに、本研究の総括を行うことを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本採択課題の初年次でデータ収集が概ね進んだものの、第二年次に続き、第三年次もCOVID-19の広がりのため未実施の調査を行うことができなかった。また,勤務先および業務内容の大幅な変更により、研究活動へ割く時間が大幅に減少した。そのため、3年間の研究として計画していたが、1年延長申請を行った。本年は、これまでの研究成果を整理し、本研究の総括を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
個々のケース・スタディについて学会や論文などで報告するとともに、本研究の総括を行うことを主な内容とする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、7で記載した通り、現在までの進捗状況の遅れにあり、予定していた学会発表や論文投稿が未実施であるためである。そのため、本研究の目的をより精緻に達成するための研究の実施(学会参加、論文投稿など)のために延長を申請しており、次年度使用額が発生した。使用計画としては、学会への参加、関連する論文の収集、あるいは作成した学会発表や論文等の送付に利用する。
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