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2020 Fiscal Year Research-status Report

「見方・考え方」を働かせて古典に親しませる授業に関する小中高大の連携的研究

Research Project

Project/Area Number 19K02827
Research InstitutionHokkaido University of Education

Principal Investigator

菅原 利晃  北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20826250)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords国語教育 / 見方・考え方 / 小中高大連携 / 徒然草 / 古典に親しむ
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、『徒然草』を教材とし、その教訓に着目させ児童生徒を古典に親しませる授業について研究するものである。古典の「教訓」(教え・知恵)とは、古典に表れた人間の生き方や考え方そのものであり、児童生徒は、古典に対する「ものの見方・考え方」を働かせてとらえることができるという前提をもって研究に取り組んだ。
今年度は、昨年度に引き続き、〈教材としての『徒然草』の分析と考察〉として、古典に対する「ものの見方・考え方」や『徒然草』の教訓について研究書や指導書などをもとに教材研究を行い、それぞれの古典教材に対する「ものの見方・考え方」や古典で述べられている教訓について、分析を試みた。その上で、〈研究協力者による授業実践、および教材に関する研究討議〉として、各研究協力者が児童生徒を対象にした授業の開発を考究した上で、実際に授業を行い、実施後に研究討議を重ねた。具体的な内容は以下の通りである。
◎授業観察 各研究協力者の勤務する学校の児童生徒を対象にした授業の開発を考究し実際に授業を行った。コロナ禍のため、実際に教室に赴いて授業を観察することはできなかったが、オンライン遠隔会議システム(Zoom)を用いてかろうじて実施することができた。これについては、高等学校のグループワークによる授業(2回)と、主題単元学習の授業(3回)とを合計5回観察・考察することができた。
◎打ち合わせ・研究協議(北海道教育大学札幌駅前サテライト) 令和2年7月11日、9月13日、10月17日、12月19日、令和3年2月13日、3月13日(土) 対面及びオンライン遠隔会議システム(Zoom)も用いて6回実施することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

3年間の研究では、小中高、および大学との連携により各学校国語科の授業で実践し、検証を進めるという計画を立てた。研究期間内の具体的な研究活動としては、①教材としての『徒然草』の分析と考察、②研究協力者による授業実践、③教材に関する研究討議、④研究成果のとりまとめと報告の4項目を立てた。
2年目の今年度は、昨年に引き続き、上記①~③を中心に研究を進めた。①では、古典に対する「ものの見方・考え方」や『徒然草』の教訓について研究書や指導書などをもとに教材研究を行った。それぞれの古典教材に対する「ものの見方・考え方」や古典で述べられている教訓について、分析を試みた。これについては、各研究協力者と、電子メールなどの連絡を行い、おおむね順調に進むことができた。
②については、北海道函館陵北高等学校(令和2年11月3回)においては、オンライン遠隔会議システム(Zoom)を用いて、授業観察および研究協議を行った。主題単元学習を用いた、「見方・考え方」にもとづく授業実践に関して、研究に関する検証・意見交換を行った。帯広北高等学校(令和2年11月2回)においては、授業観察および研究協議を行った。オンライン遠隔会議システム(Zoom)を用いて、「見方・考え方」を働かせたグループワークの授業について検証・考察した。いずれも、「ものの見方・考え方」にもとづくものであり、この観点にもとづく研究についてはおおむね順調に進むことができた。③打ち合わせ・研究協議についても、対面とオンライン遠隔会議システム(Zoom)を用いて6回実施することができた。

Strategy for Future Research Activity

研究内容については、本研究の一つの目標である、「古典に表れた人間の生き方や考え方を、自分なりの「見方・考え方」に観照し、他者の意見にも耳を傾けることでさらにものの見方、感じ方、考え方を豊かにすることができる。」について、より達成に向けて進むことができるように考察を進める。
具体的には、研究2年目である本年度は、授業観察を5回、打ち合わせ・研究協議を6回行うことができたが、オンライン遠隔会議システム(Zoom)を用いなければならず、研究協力者全員が対面により揃って協議することは難しかった。来年度も、研究の推進のためには、研究協力者全員が集まって討議を行うことが年に1度は必要である。そこでは、研究協議のほかに、必要な情報交換、途中経過報告を行うように進めてゆく。これについて、今後は、各研究協力者により、授業構想を行い、実際の授業で実践するにあたり、ビデオ等で記録し、オンライン遠隔会議システム(Zoom)も活用して研究協力者全員でその成果と課題を検証するようにする。
また、各小学校、中学校、高等学校へは、研究代表者が古典教育に関する専門的知見を与え、共同研究を進めることを行い、大学の役割を果たすことも行う。

Causes of Carryover

2020年度は、コロナ禍のため、旅費に関して、旅費を使用する機会がなくなり、使用額がなくなった。特に、研究協力者との研究討議、授業の検討等を対面にて行う予定であったが、実施できなかった。また、研究代表者による所属学会での情報収集、および研究発表についても、当該学会がオンラインでの開催となったため,オンライン開催での費用は使用したが、旅費自体を使用する機会がなくなった。
次年度は、ひきつづきコロナ禍のために、研究協力者とのオンラインでの研究協議の必要性が生じており、また、 応募者・研究協力者による授業データ・研究データの保存及び情報共有の必要性も生じているので、それに伴って、必要な通信機器、ソフト等を購入する予定である。

  • Research Products

    (17 results)

All 2021 2020

All Journal Article (9 results) (of which Open Access: 5 results) Presentation (8 results)

  • [Journal Article] 古典文学研究と古典教育 ―理論と実践の往還について―2021

    • Author(s)
      菅原利晃
    • Journal Title

      『札幌国語教育研究』

      Volume: 第29号 Pages: 3-21

  • [Journal Article] 『十訓抄』『寝覚記』共通話における評語一覧2021

    • Author(s)
      菅原利晃
    • Journal Title

      『国語論集』

      Volume: 第18号 Pages: 14-46

    • Open Access
  • [Journal Article] 現代文と古典の非連続テキストで考える主題単元学習―コロナ禍における「深い学び」の創出について―2021

    • Author(s)
      長澤元子
    • Journal Title

      『札幌国語教育研究』

      Volume: 第29号 Pages: 1-2

  • [Journal Article] 社会で活用できる物語構造分析の主題単元学習―大塚英志の『ストーリーメーカー』に基づいた構造分析と創作活動を中心に―2021

    • Author(s)
      長澤元子
    • Journal Title

      『国語論集』

      Volume: 第18号 Pages: 185-192

    • Open Access
  • [Journal Article] 小論文答案作成のためのスキーマ集積の方法と実際について―ICTを活用した協働的な小論文作成「小論文ノック」の一手法の提案―2021

    • Author(s)
      長澤元子
    • Journal Title

      『国語論集』

      Volume: 第18号 Pages: 314-318

    • Open Access
  • [Journal Article] 漢文教材のインストラクショナルデザイン―『コマシラバス』による目標と指導と評価の一体化―2021

    • Author(s)
      加藤孝志
    • Journal Title

      『札幌国語教育研究』

      Volume: 第29号 Pages: 22-29

  • [Journal Article] 知識・技能を実生活の場面に活用して課題の解決を図る方言の学習指導2021

    • Author(s)
      宮内征人
    • Journal Title

      『国語論集』

      Volume: 第18号 Pages: 329-341

    • Open Access
  • [Journal Article] 「見方・考え方」を働かせる古典の授業 ―『大鏡』「鶯宿梅」歌説話の教材化に関して―2020

    • Author(s)
      菅原利晃
    • Journal Title

      『札幌国語研究』

      Volume: 第25号 Pages: 1-9

    • Open Access
  • [Journal Article] 『大鏡』「鶯宿梅」歌説話の教材化について ―新学習指導要領における「見方・考え方」に関わって―2020

    • Author(s)
      菅原利晃
    • Journal Title

      『いずみ通信』

      Volume: 45号 Pages: 9-10

  • [Presentation] 古典は本当に必要か(こてほん@函館陵北高校) ―生徒に深い学びを起こさせるための効果的手法について~新指導要領を見据えた授業実践~―2021

    • Author(s)
      長澤元子
    • Organizer
      札幌国語教育研究会第24回例会
  • [Presentation] 理論(文学研究)と実践(教育)の往還をめざす教材研究 ―『十訓抄』『寝覚記』共通説話の教材化について―2021

    • Author(s)
      菅原利晃
    • Organizer
      札幌国語教育研究会第25回例会
  • [Presentation] 同期非同期を活用した話し合い実践2021

    • Author(s)
      長澤元子
    • Organizer
      札幌国語教育研究会第25回例会
  • [Presentation] 『大鏡』「鶯宿梅」歌説話の教材化について―新学習指導要領における「見方・考え方」に関わって―2020

    • Author(s)
      菅原利晃
    • Organizer
      札幌国語教育研究会第20回例会
  • [Presentation] 古典文学研究と古典教育―問題の所在、並びに史的展望―2020

    • Author(s)
      菅原利晃
    • Organizer
      札幌国語教育研究会第21回例会
  • [Presentation] コロナ禍における主題単元~古典からニュースまで~2020

    • Author(s)
      長澤元子
    • Organizer
      札幌国語教育研究会第21回例会
  • [Presentation] 国語科を起点とする「教科横断」的学習に関する考察―「教科横断」は「手段」か、「目的」か―2020

    • Author(s)
      菅原利晃
    • Organizer
      札幌国語教育研究会第22回例会
  • [Presentation] 「古典文学を教えるということ」序説 ―理論と実践の往還について―2020

    • Author(s)
      菅原利晃
    • Organizer
      札幌国語教育研究会第23回例会

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Published: 2021-12-27  

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