2020 Fiscal Year Research-status Report
A study on the education of mapping capability
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19K02832
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
村山 朝子 茨城大学, 教育学部, 教授 (40375358)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域調査 / 地図作品 / 地域学習 / 地域かるた |
Outline of Annual Research Achievements |
地図活用力として、地域調査の成果を地図に表現した作品の分析を行った。中学生については授業でのグループによる作品を、小学生については作品展応募作品を対象とした。小学生でも地図による地域考察力が認められる一方、授業での地域調べのまとめとして地図活用力に加えて地図考察力を高めるには、教師による具体的な指導が必要であることが確認できた. 地図活用力として、地域かるたを活用した地域学習において地図を併用する効果について検討した。市町村や学校単位で作成された地域かるた(郷土かるた)を競技活動として学校で活用する例はあるものの、社会科の地域学習での活用例は少ない。地域かるたに地図が付属として付くものも少数あるが、地図としての精度や活用の点で不十分であった。そこで、新たに地域の事物や特性を表した地域かるたを作成し、これに地図を組み合わせることによって、地域の特色を空間的に理解し、その知識を定着するのに効果があることが、検証実践や聞き取りなどを通して明らかになった。これらの成果は令和3年度の茨城大学教育学部紀要に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域かるたを用いた地域学習において地図を併用することにより、地域の特色を空間的に理解し、その知識を定着するのに効果があることが明らかになった。地域かるたが史跡など事物を点として記憶するのにとどまっていたのが、地図を併用することによって社会科の地域学習に大きな効果があることを検証できた。一方で、新型コロナ感染拡大の状況下、小中学校において地域調査が中止されたり制限されたりしたため、分析対象の地図作品データが予定どおり収集できなかったため、分析による成果が十分に得られなかった。また、各地の地図作品展、学会等の中止が相次ぎ、予定していた視察や聞き取り、地図づくりについての啓発活動などができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
地図作品データを収集し、データ不足で分析が遅れていた小中学校を通した地域考察力と地図活用力の構造と発達プロセスを捉えていく。その成果に基づき、地域考察力・地図活用力の育成カリキュラム案を試作し、児童生徒や教員に対する支援方法を検討する。 また、地域かるたと地図を活用した地域学習については、今年度作成した地域かるたと地図による実践検証を継続するとともに、他市町村での同様の実践を行う。 これらの研究成果を公開する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大の状況下、小中学校において地域調査が中止されたり制限されたりしたため、分析対象が大幅に減じたため、分析に予定していた人件費等の使用が限られた。また、各地の地図作品展、学会等の中止が相次ぎ、予定していた視察や聞き取り、地図づくりについての啓発活動 などができなかった。そのため旅費の使用がなかった。 次年度は、地図作品データを収集し、データ不足で分析が遅れていた小中学校を通した地域考察力と地図活用力の構造と発達プロセスを捉えていく。その成果に基づき、地域考察力・地図活用力の育成カリキュラム案を試作し、児童生徒や教員に対する支援方法を検討する。また、地域かるたと地図を活用した地域学習については、今年度作成した地域かるたと地図による実践検証を継続するとともに、他市町村での同様の実践を行う。これらの研究成果を公開する。これらに伴う人件費、旅費等に未使用額を充てる。
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