2022 Fiscal Year Research-status Report
中学校保健の授業における生活習慣病予防行動の意欲と自信を高める教材開発
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19K02833
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
佐見 由紀子 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (40725868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 誠治 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (90193804)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 改善意欲 / 改善自信 / 保健授業 / 中学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度2~3月に、これまでコロナウイルス感染拡大により実施できていなかった、中学2年生140名を対象に生活習慣病予防の保健の授業を4時間担当することができた。 また、授業の事前、事後の質問紙調査を実施することができ、来年度実施予定の本調査に向け、貴重な予備調査となった。 事前、事後の調査では、主に、生徒の生活習慣病への罹患性の自覚、重大性の自覚、予防行動をとる意図(意欲)、予防行動の自己効力(自信)についての質問項目を各1項目設定し、それぞれに回答した根拠として、授業で取り上げた教材や授業外のメディアや書籍、保護者との対話などの経験のいずれが影響を与えていると考えるかの回答を求めた。 特に、授業では、1・2時間目には、罹患性と重大性の自覚を高めるために、糖尿病と動脈硬化についての授業を行った。さらに、3・4時間目には、予防行動をとる意図や自己効力を高めるために、新たな2つの教材を開発し、実践した。3時間目のがん予防の学習活動において、「なぜ日本人にはがん患者が多いのか?」という問いのもと、ジクソー法の考えを参考にし、資料を読み解き、内容を教え合う活動である。4時間目のまとめの授業では、保健行動理論のシーソーモデルの考え方を取り入れた教材を開発した。中でも、自身の生活習慣病予防行動の障害になる考えを取り上げ、それに代わる有益性の考え方を強化するか、障害となる考え方を変えるよう、各自考える活動を取り上げた。 その結果、がん予防の教え合い学習やシーソーモデルによる振り返り学習が、生徒の意欲や自信を高めることに一定の効果があると言えそうであった。このことから、来年度は倫理申請の承認を得て、保護者の同意も得たうえで、本調査、および保健の授業を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度までコロナウイルス感染拡大により、研究者が中学校において授業実践をすることが難しかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に実施した事前事後調査については、8月までに集計・分析し、本学研究紀要に投稿する予定である。11月までに倫理申請を行い、当該校の管理職、保健体育教員、養護教諭、保護者に説明の文書及び同意書を配布し、了解を得たうえで、調査及び授業を実施する。事前調査は1月に、授業4回は2~3月に、事後調査は3月の授業終了時に実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大により、2019年度~2021年度まで、中学校において研究者が保健の授業とそれに伴う事前事後調査を実施することができなかった。2022年度に予備調査としての事前事後調査および、保健授業が実施できたため、この結果を受けて、調査項目、授業内容を再検討し、2023年度に本調査を実施する予定である。その際、調査用紙の印刷費、教材作成にかかわる物品費などを支出予定である。
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