2023 Fiscal Year Research-status Report
中学校保健の授業における生活習慣病予防行動の意欲と自信を高める教材開発
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19K02833
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
佐見 由紀子 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (40725868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 誠治 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (90193804)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 改善意欲 / 改善自信 / 保健授業 / 中学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年2~3月に中学2年生を対象とした生活習慣病予防の意欲と自信を高めることを想定した授業を実施した。授業の事前事後に調査を行い、生徒が予防の意欲や自信を高めることができたか、また意欲や自信を高めることにつながったと生徒が考える教材について質問した。調査の結果、「生活習慣病は身近である」「生活習慣病は重大である」「生活習慣病を予防したい(意欲)」の3項目で事前に比べ、事後に有意に向上していた。「生活習慣病を予防できる(自信)」の項目では有意な差は認められなかった。また、事前に比べ事後に予防意欲が向上していた生徒35名(34%)の回答結果をみると、予防意欲の向上に影響を与えた教材として、「糖尿病の子どもの紙芝居」62.9%、「糖尿病メカニズム図」51.4%、「飲み物の糖分量図」51.4%が上位に挙げられた。予防する自信が向上していた生徒42.7%が向上に影響を与えたとした教材は、「がんの要因の資料と分析」72.7%、「飲み物の糖分量図」70.5%、「思春期動脈硬化チェックテスト」59.1%が上位に挙げられた。予防の意欲向上に意図していた教材は生徒からも影響を与えられた教材として挙げられていたものの、予防の自信向上として意図していた教材は、生徒から挙げられなかった。そのため、今後は予防の自信を高めるためにはどのような教材や働きかけが必要かさらに検討する必要がある。また、意欲や自信が低下した生徒たちも、向上していた生徒と同様の教材を挙げていたことから、アンケート調査だけでは把握しきれない生徒の意識の変化についてさらなる調査が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始から数年はコロナウイルス感染症拡大により、中学生対象の授業を実施させてもらうことができなかった。代替えにアンケート調査の実施も想定していたが、コロナ感染症対応で学校現場が慌ただしく、調査の協力を得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年に想定していた授業を初めて実施することができたため、この調査結果をもとに、2024年度にさらに修正した授業を実施するよう計画している。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症により調査、授業が中学校で実施できなかったが、2022年末までに準備・計画していた調査、授業が2023年2~3月に実施することができた。さらに、その分析結果を2023年11月に学会発表することができた。この調査結果をもとに、さらに分析を進め、本調査、実験授業を今後実施する予定である。その際、調査用紙の印刷費、調査・実験授業結果の分析のための人件費、学会での発表等の旅費などにあてていく予定である。
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