2022 Fiscal Year Research-status Report
日・韓におけるESDの視点を取り入れた道徳科教育プログラムの開発と検証
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19K02840
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
孫 美幸 文教大学, 国際学部, 准教授 (40755493)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ESD / 道徳科 / ポリフォニー / 対話 / ライフヒストリー / ワークシート / 地域 / 排除の構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は下記の2点について研究が進展した。①ESDの視点を取り入れた道徳科教育教材の一つとしてワークシートをデザインし、多岐に応用できるようにリーフレットを作成した。②ESDの視点を取り入れた道徳科をより発展させる応用的な取り組みとして、地域における持続可能な開発と学びをテーマに、理論的背景の整理や実践研究を行った。 ①については、道徳科においてポリフォニーを紡ぐ授業デザインに活用できるワークシートして、子ども~青年期版の「ライフヒストリーデザイン曼荼羅」を4パターンデザインした。道徳科の学習領域、「D主として生命や、自然、崇高なものとの関わりに関すること」を中心にしたものであり、授業実践例として「身近な草から考える内面の旅」を掲載した。子どもたちが記入しやすいようにイラストや記入スペースに工夫を凝らしたり、ストーリー性をもたせたりして、パンフレットには3パターン掲載した。URLからもダウンロード可能なように現在設定中である。今後は学校教員や自身の実践でも応用し、より改善点を模索したい。 ②については、中学校における人権学習の実践を核にして、多様な文化背景をもつ人々との共生から、生きやすい、暮らしやすい社会を考えるプログラムを整理して、実施した。実施後のインタビューや学校教員との協働実践研究のふりかえり等を通して、研究報告を行い、論文や報告書にまとめることができた。地域の歴史や伝承を学ぶことを通して、排除の構造や地域の開発の問題など、人々が生きやすい、暮らしやすい社会とは何かに気づくきっかけとなったことが明らかになった。自己の中に生まれる複数のアイデンティティ、それら交錯する点を見出すこと、これらの実践にはそのようなプロセスを生み出しやすくする仕掛けがあった。今後もESDを勘案した応用プログラムを発展させていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標としていたESDの視点を勘案した道徳科教材、ワークシートを4パターンデザインし、リーフレット作成が終了した。今後教育現場で使用できるように整理中である。また、プログラムを発展させた応用研究も進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したリーフレットとワークシートデザインを基盤にして、更なる改善点を模索する。教員への聞き取りや授業実践への応用を進める。また、いのちへの畏敬をテーマにしたプログラム事例の数を増やし、最終的には数パターン提案できるようにしたい。
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Causes of Carryover |
ワークシートの開発とともに、これまで開発してきたプログラムの内容をより充実させるための情報収集やフィールドワークが十分にできなかったため次年度使用額が発生した。残額は前年度できなかった情報収集やフィールドワークを行い、旅費として使用予定である。
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