2020 Fiscal Year Research-status Report
Qualitative analysis of yogo teacher's skills in coordination with a classroom teacher and the development of program to enhance these skills in training phase.
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19K02846
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
長峰 伸治 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (50303574)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 相互調整スキル / 養護教諭 / 学級担任との連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、1年目に実施した、養護教諭の「相互調整スキル」に関する質問紙調査の結果についての検討を行った。質問紙調査は、ある心理的問題を持つ児童生徒の支援に関して、養護教諭と学級担任の考え方が異なる場面(不一致場面)を設定して、その場面において、養護教諭として担任に対してどのような関わり(言葉かけ)をするのか(スキル①)とその理由、また、そうした関わりをしてもなお担任との考えの違いがある場合にどのように関わるのか(スキル②)とその理由について尋ね、自由記述による回答を得る方式で、不一致場面は2種類(児童生徒が保健室登校および発達障害であるケース)であった。 調査で得られた自由記述、特に、担任に対する養護教諭の具体的な言葉かけ(スキル①、②)の内容の意味について、カテゴリー分けすることを中心に行った。このカテゴリー分けが、養護教諭の相互調整スキルの質的な分析を行う上で重要となるため、質的分析が行われた先行研究のカテゴリー化を参考にしながら、言葉かけの意味・意図を吟味しながら、カテゴリー内容及び分類する基準作りの検討を行った。言葉かけのカテゴリー化については、例えば「自分の意見や考えを相手に説明する」場合であっても、その理由の説明の有無や、自らの意見について相手の意向を確認することの有無等によって『相互調整スキル』の質の違いが明らかになる。自他双方が納得・合意できるようなスキルとそうでないスキルとの判別ができるようにカテゴリーの内容・基準の作成を試みた。作成したカテゴリー内容・基準に基づき、スキル①、②の自由記述内容のスコアリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
相互調整スキルに関するカテゴリー分けの内容・基準作り行う過程で、先行研究のレビューを行い、本研究の目的に沿った分析方法を確立できるよう検討を行ったが、「相互調整スキル」に類似するスキル・概念の質的分析に関する先行研究が少ないこともあり、カテゴリー分けの内容・基準作りに時間がかかった。そのため、スキル(自由記述)のスコアリングや質的分析が想定していたより進まなかった。また、調査対象のうち「養成段階」にあたる学生の調査協力者の確保が難しく、目標数に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である2021年度の一番の目的は、相互調整スキルの育成プログラムの実施とその効果測定である。育成プログラムは、養成段階にある(養護教諭免許取得を目指す)学生を対象にワークショップ形式で、グループワーク及びロールプレイを中心に構成する。養護教諭と学級担任が児童生徒の支援における考えが一致しない場面において、それぞれの立場や背景をどう考え、養護教諭として学級担任と連携して支援にあたるためにどのように相互の視点・考えを調整するのかについて、グループディスカッションで理解を深め、また、実際に養護教諭と学級担任の立場になってロールプレイを行うことで、両者がより良く連携を行うための相互調整スキルのあり方を習得できるプログラム構成にする。また、プログラム実施の前後に、相互調整スキルに関する質問紙調査を行い、プログラムの効果測定を行う。プログラムの内容・構成については、養護教諭経験者や、養護教諭養成に携わる研究者らと意見交換して、ご助言をいただきながら、決定する。さらに、同時進行で、進捗が遅れている質問紙調査の質的分析を進めて、「養成段階」(学生)、「初任段階」「熟練段階」(現職養護教諭)の段階間の違いを明らかにできるようにする。
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Causes of Carryover |
「養成段階」の学生を対象とする調査において、調査協力者が目標数に満たないことにより、調査用紙の郵送代、調査協力者への謝礼、調査結果の入力作業に関する費用が予定を下回り、その分を次年度に使用する形となった。不足数を確保して執行する予定である。
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