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2021 Fiscal Year Research-status Report

ソーシャルメディア社会のメディアリテラシーを育成する社会科授業開発研究

Research Project

Project/Area Number 19K02848
Research InstitutionKyoto Women's University

Principal Investigator

松岡 靖  京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (10736648)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywordsソーシャルメディア / メディアコミュニケーション / 社会科教育 / メディア社会 / 授業開発
Outline of Annual Research Achievements

2021年度(3年次)においては,過年度において課題として残されていた「具体的なソーシャルメディアを事例にした教育内容を策定する」ことと「構築型の学習指導論理を明確化する」こと,そして,本年度の「学習指導論理の構築に基づき,ソーシャルメディアの事例に応じた授業を開発し,実証的に検討する」ことの3点を所期の目的とした。
第1に関しては,ソーシャルメディアの概念規定として,メディアコミュニケーションにおける影響を「オートポイエティック」システム論に基づき,システム間の相互作用によるメディアコミュニケーションに対するシステム的影響であると捉え,再帰的システムがもたらす社会的変動によるメディアコミュニケーションへの影響を組み入れたソーシャルメディア社会の構造について明らかにした。
第2に関しては,これまで検討した構築型の学習指導論理に基づき,具体的な手段として「思考ツール」活用に関して検討した。今日のタブレット学習等で活用される思考ツールは,学習者の知識と思考の関連性を可視化するといったメリットが存在する。そこで,Yチャート,フィッシュボーン,ダイヤモンドランキング等の「思考ツール」について具体的な学習指導場面に応じて検討することで,これまで検討した構築型の学習プロセスを方法論的に改善している。
第3に関しては,コロナ禍の影響により想定した附属学校での授業実践と実証的検討が難しかったが,実践を依頼した先生方と授業内容に関して協議することで,発問や教材の見せ方等の具体的な教授技術について検討できたことは成果として挙げられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

上記に区分した理由は次のとおりである。
2021年度(3年次)における所期の目的は「具体的なソーシャルメディアを事例にした教育内容を策定する」ことと「構築型の学習指導論理を明確化する」こと,そして,「学習指導論理の構築に基づき,ソーシャルメディアの事例に応じた授業を開発し,実証的に検討する」ことの3点である。
第1,第2に関しては,研究実績で示した通り,ソーシャルメディアの概念規定,学習指導論の改善といった点からある程度の進捗があった。しかし,第3の授業実践と検証に関しては,コロナ禍の影響により,想定した学校の学習計画がタイトとなり実践できるだけの時間が確保できなかったこと,学校関係者以外の入校が制限されたことなどの困難な状況が生じた。
以上のように,2021年度(3年次)の所期の目的に照らして,何点かの成果を挙げることができるが,課題も多く残されている。したがって,進捗状況は「(4)遅れている」とした。

Strategy for Future Research Activity

2021年度(3年次)における残された課題は,1ソーシャルメディアを対象にした授業構成論理の精密化を図ること,2その構成論理に応じた授業を複数開発すること,そして,3授業実践を通して,その妥当性について検討することが,研究推進上の課題となる。
1に関しては,文献調査と先進地への現地調査に基づき,授業構成論理の精密化を図っていく。また,2に関しては,授業開発と共に,具体的な授業場面でのソーシャルメディア活用に関して,研究協力者と共に検討していく。3に関しては,京都女子大学附属学校だけでなく,広島大学附属学校,公立学校等の実践校に複数依頼し,開発授業を実践し,学習者の認知的成長について検証していく。検証に関しては,ルーブリック評価の手法に基づき,評価観点に応じた段階的評価規準を作成し,知識の習得状況,知識の活用状況,態度面の変容の3観点からクロス集計し,それらの解析を行い,開発授業の妥当性について測定する。
以上の実証的検討を通して,ソーシャルメディア社会におけるメディアリテラシーについて明らかにしていきたい。

Causes of Carryover

次年度使用が生じた理由は,主には次の2点である。第1は,人件費・謝金の項目に関して,新型コロナウィルスの影響等により,アンケート調査,資料整理などの依頼が滞り,十分な人件費の執行ができていないためである。第2は,旅費の項目に関して,同様に新型コロナウィルスの影響により,国内,海外の出張がキャンセルせざるを得なかったためである。したがって,今後は,上記の内容に関して経費を使用するとともに,今年度計画している資料用図書の購入,成果物の作成,研究協力者との会合を定期的に持ち,着実な予算執行に努めたい。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021

All Journal Article (3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 思考ツール活用による発問のポイント2022

    • Author(s)
      松岡靖
    • Journal Title

      教育科学社会科教育

      Volume: 757 Pages: 31-32

  • [Journal Article] 初等教育段階における創造的思考力の育成―システム・デザイン思考モデルに基づくクロスカリキュラムの開発を通して―2022

    • Author(s)
      小橋唯華,松岡靖
    • Journal Title

      京都女子大学教職支援センター研究紀要

      Volume: 4 Pages: -

  • [Journal Article] 発問の基礎となる!教材研究のポイント2021

    • Author(s)
      松岡靖
    • Journal Title

      教育科学社会科教育

      Volume: 745 Pages: 12-13

  • [Book] 新・教職課程演習 第11巻 初等社会科教育2021

    • Author(s)
      唐木清志、永田忠道、磯山恭子、松岡靖、他26名
    • Total Pages
      201
    • Publisher
      協同出版株式会社
    • ISBN
      978-4-319-00352-5

URL: 

Published: 2022-12-28  

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