2021 Fiscal Year Annual Research Report
中学校入学時のリアリティショックはその後の学校適応感にどのような影響を及ぼすか
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19K02853
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Research Institution | Biwako-Gakuin University |
Principal Investigator |
南 雅則 びわこ学院大学, 教育福祉学部, 教授 (00827462)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中学生 / 学校適応感 / リアリティショック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,中学校入学前の感じていた予期不安と入学後のリアリティショック体験の程度の違いによる中学校入学後の学校適応感がどのように変化していくのかについて検討することであった。 調査は2021年4月,2021年6月,2021年9月の3回実施され,中学1年生106名(男子45名,女子61名)がWeb調査へ参加した。なお3回の調査結果は同定された。青年用適応感尺度(大久保,2005)から「居心地の良さの感覚」「課題・目的の存在」「被信頼・受容感」の3下位尺度24項目と,学校生活適応感(浅川他,2003)から「友人関係」「教師との関係」「学習への意欲」の3下位尺度15項目について主成分分析を行ったもの(南,2021)のそれぞれの加算平均を主観的な適応感,客観的な適応感の指標とした。中学校生活予期不安尺度(南他,2011),中学校生活に対するリアリティショック測定尺度(南,2020)によって測定された予期不安とリアリティショック(RS)それぞれの低群・高群を組み合わせた群(4群)を独立変数とする二要因混合計画の分散分析を行った。主な結果は以下のとおりである。 主観的な適応感では予期低RS低群における時期の主効果が有意であり,多重比較の結果,いずれも6月の得点が高かった。一方,客観的な適応感では予期低RS低群と予期低RS高群における時期の主効果が有意であり,多重比較の結果,いずれも6月の得点が高かった。リアリティショックが低い場合,主観的な適応感は4月から6月にかけて高くなり9月には低くなるが,客観的な適応感は6月に高くなったあと9月も維持されることが示唆された。また,予期不安が低い場合,主観的な適応感は入学半年後の9月には入学時の状態に戻るが,客観的な適応感は9月になっても維持されていた。予期不安とRSがともに高い場合は適応感は他の群に比べて低いままであった。
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