2020 Fiscal Year Research-status Report
Construction of a Community-Based Learning Model for the students, faculty, and community
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19K02858
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
櫻井 典子 新潟大学, 教育・学生支援機構, 特任准教授 (00537003)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域と大学の協働 / 地域連携学習 / コミュニティ ベースト ラーニング / サービス・ラーニング / 学生の成長 / パートナーシップ / チームワーク / 教職協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
「学生・教職員・地域住民が互いを高め合う地域連携学習モデルの構築」に向けて2020年度は、コロナ禍におけるプログラムや授業の検証が中心となった。コロナ禍の影響により地域での活動全てが非対面での実施となったことは、本活動が重視している参加学生のチームワーク力やシチズンシップにどのような影響を及ぼしたのか。非対面であっても前年度同様に導入授業を活用して参加学生の地域理解とチームワーク向上を促す地域実習と発表会を実施した。受講生評価は、地域理解に関しては前年度より低くなったが、チームワークは高まったことを示した。一方で前年度と比べて本プログラムにおける経験(主体的経験、チーム経験、地域経験)と学習成果(チームワーク力、課題探究力、問題解決力、シチズンシップ)の自己評価が低い結果が得られた。しかし、コロナ禍で活動が制限される中でもチームの結束を高め、地域に寄り添った新たな活動に取り組んだホーム学生の経験と成果に対する評価は高かった。以上により、コロナ禍のような状況では、これまで以上にチームワークの向上や地域貢献感を高める取り組みを促進いくことが大切であることが確認できた。ホーム横断イベントや情報共有活動のような取り組みの有効性も示唆された。 対象プログラムを卒業時まで継続した卒業生に社会生活の中で本プログラムでの経験がどのように影響しているかを尋ねるオンラインのアンケート調査を実施した。その結果22人(回答率20%)が回答し、本プログラムを通して主体性、コミュニケーション力、チームワーク力、受容力、リーダーシップ、シチズンシップを身に付けられたと評価した。今後は、インタビュー調査に同意を得た卒業生に対して社会課題に直面した時や将来についての見通しについての考えにどのような経験が必要であるのか、在校生に経験してもらいたいこと等について詳しく尋ね、本プログラムの改善につなげていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、非対面による活動プログラムの計画と運営が中心となり、本研究課題を十分に推進することができなかった。今後は、オンライン等の手段を活用した調査を実施していく。 継続課題の地域との互恵的・変革的パートナーシップを構築している国内事例の調査については、国内事例の実践者や研究者と情報交換ができる体制を構築できたことは成果であるが、コロナ禍のために現地での事例調査は実施できなかった。また、卒業生調査を2021年1月に実施したが回答数が少なかったことから、卒業生のネットワーク構築とともにインタビューを中心とした調査を再検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
地域連携学習をとおして参加者である学生、教職員、地域住民が互いを高め合うプログラム構築を目指し、今後は、以下の研究項目で進める。①先行事例における地域とのパートナーシップの実態把握:互恵的かつ変革的な地域コミュニティとのパートナーシップの要件である6項目「共通の目的」「リーダーシップおよび意思決定の共有」「能力の構築を目的とした資産志向」「信頼と尊敬」「開かれたコミュニケーション」「組織同士の全体的なつながり」について、先行事例から詳細な実態を把握し、地域とのパートナーシップについて考察する。②活動地域調査:コロナ禍が1年経過し、互恵的かつ変革的な地域コミュニティとのパートナーシップ継続が可能かを再検証する必要がある。活動地域代表者へのインタビュー調査をオンラインもしくは対面で実施する。③卒業生調査:前年度アンケート調査結果を踏まえてインタビュー調査を実施する。対象プログラムを卒業時まで継続した卒業生に課題に直面した時や将来についての見通しについての考えにどのような経験が学生時代に必要であるのか、在校生に経験してもらいたいこと等について尋ね、本プログラムの改善につなげる。④地域活動を推進する若手先達者による影響調査:地域で活動する若手先達者との関りを望む声が学生や卒業生からある。外部講師としての若手先達者による勉強会や活動での関りを推進し、学生の活動意欲向上やキャリア形成意識等への影響を検証する。⑤導入授業およびプログラムの再デザインとその効果検証:①~④における知見をいかしながら授業およびプログラムを改善する。その効果を検証し、さらに改善していくことを繰り返す。⑥正課外活動プログラムの改善とその効果検証とモデル検討:①~⑤の成果と課題と連動させながら活動プログラムの改善-実施-検証―改善を繰り返し、得られた知見から、新たな地域連携学習モデルを検討していく。
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Causes of Carryover |
1)コロナ禍の影響から先行事例の調査を現地で実施できなかったこと、2)本プログラムの地域活動が全て非対面となり、活動地域での調査ができなかったこと、3)学会や研究会への参加が全てオンラインとなったこと、の3点の理由により、次年度使用額が生じた。2020年度は本研究を十分に推進できなかったことや2021年度も地域での活動を制限されることから2022年度への繰り越しを希望している。
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Research Products
(4 results)