2020 Fiscal Year Research-status Report
クラウドによる機械学習を利用したエンロールメントマネジメントシステムの構築
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19K02868
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
石川 千温 札幌学院大学, 経営学部, 教授 (90285495)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機械学習 / Python / 人工知能 / IR |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響のため、研究出張が制限されていたこともあり、他大学等の先進事例の実地ヒアリング調査などはほとんど実施できなかった。関連学会、研究会、セミナー等への参加もほぼ制限されており、情報収集という観点からは満足のいく結果となっていない。 所属大学の学生行動データを用いたIR分析については、入学者の入試行動、入学後の学習行動、生活行動、進路行動についての経年変化を従来通りの分析手法において分析し、それら経年分析結果は学内に公表し、所属大学の情報公開コンテンツとしても公開されている。 また、20年度は、科研費により購入したPCをベースに、新たに人工知能的分析アプローチに有用とされるPython分析環境を構築し、学習データではなく一般的なデータセットを用いて、人工知能(機械学習)的分析アプローチを試してみた。今のところ問題なくPythonの開発環境下における機械学習ライブラリが利用できる状態に至ったところまで確認されている。 今後の予定として、学生の種々の行動データの分析において、まずは、2018年度までのデータを教師データとして、2019年度入学者の行動データを構築したPython環境下で分析し、実際の2019年度の機械学習予測データが実際のデータとどの程度の差異が生じるのかを調査する予定である。2020年度のデータは今回の分析から外さざるを得ないと判断している。 一方、クラウド環境下での人工知能モジュールの利用については、データ流出の危険性等を考慮しながら、候補となるクラウドサービスを慎重に選び、上記データ分析と同様の試行を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響のため、2020年度入学者の学習データ、それ以前の在学生の学習データがほとんど取れていない。本来であれば、入学後の単位取得状況、履修状況等、これまでと同じフォーマットで入手される予定であったが、2020年度はほぼオンライン授業になってしまったために、例年通りのデータが入手できない状態である。そのため、2020年度のデータをスキップし、本研究における分析を行うことを想定している。ただし、2021年度のデータもオンライン授業が一定程度継続するために、2020年度、21年度のデータをどのように取り扱うべきかを慎重に検討する必要があると認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
過去の持続的データから将来の分析を行うことを目的とする本研究では、今回のコロナウィルスによるオンライン授業の拡大など、将来の分析を行うために当該年度の学習行動データなどが利用できるか否かは、非常に難しい問題である。また、従来と異なる20年度の学習データフォーマットを、過去の学習データフォーマットといかに整合性を担保した上で、加工修正しつつ利用できるかを試行錯誤しながら試す必要がある。その上で、20年度の学習データを無視するなどの決断をした上で、過去2014年度から18年度までのデータを教師データとして取り扱い、19年度データを用いて分析を行い、学生の将来行動の予測と実際の行動の比較を行い、エンロールメントマネジメントに活用できるツールを構築していく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響により、予定していた研究出張などの旅費執行がほとんどなされなかった。また、当該年度の学修データの取り扱いに関して、今後の分析、システム構築への影響を評価する観点から、研究を一時中断せざるを得なかった。そのため、必要な用度品等の購入も円滑に行えなかった。
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