2020 Fiscal Year Research-status Report
数学イノベーションに貢献する高度数学人材の育成を目指した産学協働教育に関する研究
Project/Area Number |
19K02871
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
池川 隆司 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), その他(招聘研究員) (00721804)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松谷 茂樹 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (30758090)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 高度数理人材 / ビッグデータ解析 / Scopus |
Outline of Annual Research Achievements |
人口知能、情報セキュリティー等の情報通信技術分野のような産業分野において、数学イノベーション(数学・数理科学を核とした異分野融合により社会的価値を創出するイノベーション)の成功事例が顕在化してきた。しかし、我が国を含めて世界的に高度数理人材不足が顕著となっている。本研究では、高度数理人材不足の本質的課題を最先端のビッグデータ収集技術・人口知能技術を使って明らかにし、その課題の解決策を考案することを目的としている。
2020年度は昨年度に引き続き、米国電気電子学会(IEEE)が発行した科学技術論文誌のメタデータ(表題、著者名、所属機関名等)を収集した。今年度は幅広くかつ効率よく収集するために、Scopusデータベースを使ってメタデータを収集できるように、ソフトウエアを改善した。そのソフトウエアを使って、高度数理人材が貢献している論文誌を特定した。その結果、高度数理人材が貢献している科学技術での大区分分野はコンピュータサイエンスであることがわかった。そのコンピュータサイエンス分野の中で、情報理論、信頼性、ファジーシステム、ニューラルネットワークに関する分野において、高度数理人材が貢献しているがわかった。さらに、論文誌ごとに高度数理人材が貢献している高等教育機関を特定した。その結果、小区分の分野ごとに高度数理人材が貢献している高等教育機関が異なることが明らかとなった。
得られた結果を論文化後、IEEE Education Society主催の著名な国際会議に投稿し、第一回目の審査を通過した(最終審査を通過し採択された場合は、2021年10月に発表する予定である)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度に開発したソフトウエアを使って、IEEE Webサイトからメタデータを含むWebページを自動的に収集し、収集されたメタデータを使って解析を進めた。しかし、Webページから自動的に取得したメタデータの二次利用について、そのメタデータの著作権者から期限内に明確な承諾を得ることができなかった。
そのため研究倫理上、収集したメタデータの使用を断念した。これに従い、2020年度後半、著作権上問題のないScopusデータベースを使ってメタデータを再収集する方針に変更し、それを実現するためにソフトウエアの大幅改造を行った。
ソフトウエアの改造作業やメタデータの再収集により大幅な研究遅延が生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度に得られた研究成果の可視化(著名な国際会議での発表等)を行う。さらに、高度数理人材が貢献しているミクロな科学技術分野を特定するために、論文の「概要」を使ったトピックモデルを使ったソフトウエアを開発する。また、特定された高度数理人材を輩出している高等教育機関の教育内容(カリキュラム、インターンシップ等)を調査する。
|
Causes of Carryover |
調査等のための学会への出張経費を確保していたが、新型コロナの影響により取りやめとなった。
|