2022 Fiscal Year Research-status Report
米国における大学入学前教育プログラムと高大接続にみる現状と課題
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19K02872
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 勝久 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90364299)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国際バカロレアDP / アドバンスドプレイスメントテスト / 大学入学前プログラム / 高大接続 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、米国のハイスクールでの大学入学前教育プログラムとして導入されている国際バカロレア・ディプロマプログラムとアドバンスド・プレイスメントテスト・プログラムの比較をとおして、これらのプログラムが固有の地域社会でどのような教育的役割を担い運用されているのかを実態を通して明らかにしていく。 研究計画では、①大学入学前プログラムの内容と運用、教育的・社会的影響、②プログラムの運用実態、③プログラムの運用に関わる社会的背景と学校・教育課程への影響、そして④プログラムの持つ社会的・教育的ポテンシャル、の四つの局面を視野に入れ、実態を明らかにしつつ課題を見出していくこととしていた。 2022年度はコロナ禍の影響で自粛を強いられる期間が長かったが、年度末の3月7日~11日に現地での予備調査を行うことができた。この調査は、次年度(2023年度)に実施する本調査実施のための下地作りとして現地高校での学修事情を聴取するとともに、本調査実施に向けた人脈作りを目的として実施している。訪問・聞き取りを行った高校はピッツバーグ市最大学区(Pittsburgh Public Schools District)の2校(IBマグネット校とPerforming Artsマグネット校)と市の近郊学区(Woodland Hills School District)の高校(貧困率60-70%の学校)である。 聴き取りでは、学区の概要・カリキュラムの特徴をうかがうとともに、IB・AP・州の高卒資格テストに向けたプログラム構成、業者テストの利用、会社率のチャータースクールとの兼ね合いや、生徒たちの進路とプログラムとの関係、学齢児~高校卒業までの進学・進路に係る子ども達・保護者の意思決定プロセスとそこに関わる学校の役割などについてお話をうかがった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定していた研究期間がコロナ禍にまるまる当たってしまったため、当初予定していた形での高校・大学での調査が行えなかった。2022年度の下半期あたりから現地での調査実施が現実的になり、2022年度10月頃から調査に向けた準備を進められるようになった事情がある。本来、研究初年度(2019年度)に実施予定であった現地での予備調査を2023年3月に実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度では、2022年度に訪問・聴き取りを行った3校に加え、Pittsburgh Public Schools DistrictにおいてIBDPとAPを並置している高校で聴き取りを行う。1~2回の渡米調査を予定しており、初回は9月に実施、予備調査で聴取・収集したデータをもとに質問項目を構成し、必要とする情報は実施に先立ちメール・Zoom会議にて、研究協力者と意見交換しつつ収集していく。
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Causes of Carryover |
研究初年度からコロナ禍の影響を受け、実地調査が出来なかった期間が数年に亘ったため、次年度使用額が生じている。2023年度においては、現地における実地調査を1~2回実施予定であり、あわせて研究の総括・報告を行っていく予定である。
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