2021 Fiscal Year Research-status Report
短期海外研修と教育の質保証-事前・事後指導の全学モデル構築
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19K02882
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
ハドリー 浩美 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (60534732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
G.S Hadley 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (70311008)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 既成のオンライン短期海外研修 / 研修前後の自己評価 / 教育的介入 / 英語運用能力の測定 / 教育の質保証 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年度教育再生実行会議による日本人留学生倍増の提言を踏まえ、地方国立大学においても留学よりハードルが低く参加しやすい短期海外研修プログラムが正課科目として提供されるケースが増えてきた。しかしながら、量的拡大を急ぐあまり、教育理念に沿った短期海外研修プログラムを派遣先大学と協同で開発する余裕がなく、教育の質の保証が十分なされているとは言い難い状況である。そこで、派遣元の大学で実施できる効果的な事前・事後指導を開発してプログラムに組み込むことにした。そのために、研究代表者が担当する北米の大規模大学での短期海外研修参加者から、データを収集して分析する予定であったが、2020年度以降は、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため現地への派遣は取り止めとなり、現時点でも再開の目処は立っていない。代替として、2つの既成のオンライン短期海外研修(10日間)の参加者を対象に、研修での学びや経験をどのように認識したかを明らかにすべく、研修前後に実施したアンケート調査の量的データと修了報告書の質的データとを照らし合わせて分析した。その結果、テーラーメイドではない既成のオンライン短期海外研修であっても、大学の教育目標に沿った教育効果が期待でき、その効果は適切な教育的介入によって高まる可能性が示唆された。具体的にどういった能力やスキルを養成したいのかを明確にし、それに必要な教育的介入を本国のキャンパスにて研修前後に行うと同時に、オンライン短期海外研修のカリキュラム上の位置づけを明確にし、評価・点検のシステム構築に取り組むことが求められる。 なお、本研究が対象としたオンライン研修は、いずれも英語運用能力の向上を主な目的とすることから、客観的な英語運用能力測定テストによる研修前後での英語力伸長の測定を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、当初、調査対象としていた4週間の現地での研修が2年連続で中止となった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍でICTの活用が急速に進み、オンライン短期海外研修は今後もひとつのオプションとして継続されるものと推測される。本年度の研究により、オンラインであっても大学の教育目標に沿った教育効果が期待でき、その効果は教育的介入によってさらに高まる可能性が示唆されたことから、今後は具体的な教育的介入を組み込んだ事前・事後指導の構築に取り組む。同時に、調査対象の研修の主目的である、英語運用能力の伸長について分析を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、予定していた他大学での視察・聴き取り調査を行うことができず、関連の学会・研究会もすべてオンラインでの開催であった。移動に関する規制が徐々に緩和されつつあることから、次年度での使用を予定している。
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