2019 Fiscal Year Research-status Report
健康障害児の自尊感情を支える教科指導プログラムの開発
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19K02907
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
八島 猛 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (00590358)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 自尊感情 / 教科指導プログラム / 健康障害児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,健康障害児の自尊感情を支える教科指導プログラムの開発を主目的として,健康障害児を対象とする個別指導を行い,次の3点を明らかにすることであった。すなわち,(1)学習内容の習得を促す教科指導の方法を明らかにすること,(2)教科指導が自尊感情に及ぼす影響を明らかにすること,(3)自尊感情を支える教科指導プログラムを作成して健康障害児に適用し,その効果を検証することである。 2019年度は,小学4年生から高等学校3年生までの参加者5名を対象として,研究代表者の勤務先にて原則として1週間に1回(8月と9月を除く),1回約90分間の頻度で,個別指導を提供する「学習会」を5月から翌年2月までの期間に全22回開催した。参加者1人あたりの学習会への平均参加率は75%であった。個別指導の主指導者は,研究代表者の立ち合いのもとで,特別支援教育を専攻する大学院生が担当した。 学習会では,本人と保護者との面接,教科学習場面の観察,各種心理検査,質問紙法による参加者の有能感と自尊感情の測定,教科学習の到達度評価,所属学校で行われた定期テスト等学習に関する記録の情報収集を行った。また,参加者の状態把握に基づいて,参加者個々に応じた理解しやすい指導方法と遂行可能な家庭学習の方法および教材について,個別指導への適用をとおして検討した。 本年2月以降は,学習会をとおして得られた参加者のデータ分析と整理を行った。現時点では,参加者に応じた自尊感情を支える教科指導プログラムについて検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により,2020年2月以降,健康障害児に対する個別指導を実施できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
個別指導を実施できない期間は,2019年度に得られたデータの分析結果と文献的検討にもとづいて,健康障害児の自尊感情を支える教科指導プログラムを考案する。 個別指導再開後は,教育指導プログラムを健康障害児に適用し,その効果を3~4か月ごとに検証する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により,年度末に予定していた研究資料整理のための人件費として使用することができなかったため。 次年度使用額については,より詳細な文献的検討を行うために図書・雑誌の購入費として使用する。また,翌年度分の請求額については,当初の使用計画通りに使用する予定である。
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Research Products
(7 results)