2021 Fiscal Year Research-status Report
健康障害児の自尊感情を支える教科指導プログラムの開発
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19K02907
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
八島 猛 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (00590358)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 自尊感情 / 教科指導プログラム / 健康障害児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,健康障害児の自尊感情を支える教科指導プログラムの開発を目的として,健康障害児を対象とする個別指導を行い,次の3点を明らかにすることであった。すなわち,(1)学習内容の習得を促す教科指導の方法を明らかにすること,(2)教科指導が自尊感情に及ぼす影響を明らかにすること,(3)自尊感情を支える教科指導プログラムを作成して健康障害児に適用し,その効果を検証することである。 今年度は前年度に引き続き小学6年生から高校1年生までの参加者3名および小学3年生と小学5年生の新規参加者2名を対象として,研究代表者の勤務先にて原則として1回約60~90分間の個別指導を提供する「学習会」を全18回開催した。各参加者の「学習会」への参加回数は2~14回であった。 「学習会」では前年度の検討結果を踏まえ,事前アセスメントに基づいた個々の心身機能の状態を考慮した学習支援と教材を提供するとともに,①明確な目標設定,②遂行結果のフィードバック,③個々人が重視する学習内容・方法に注目した遂行支援の3要素からなる教科指導プログラムを考案・実施した。また,学習内容の習得に対する教科指導の効果と教科指導が自尊感情に及ぼす影響について検討するために学習内容の習得度評価,理論モデルに基づいた自尊感情および自尊感情との関連が想定される心理変数の測定,定期テスト等学習関連情報の収集,「学習会」に対する参加者と保護者の印象の聴取を行った。 その結果,研究開始当初から参加していた中学生1名については全データの収集と分析が完了し,今回行われた教科指導プログラムは,健康障害児の学習内容習得に一定の効果を示すものであり,自尊感情を少なくとも低下させるものではないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により,健康障害児に対する個別指導の実施回数が制約されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は各参加者に対する個別指導の実施回数が予定よりも少なく,検討に必要なデータを十分に得ることができなかった。 次年度は新規参加者2名を含む個別指導を継続し,データの蓄積と分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
理由) 新型コロナウイルスの影響により,主として健康障害児を対象とする教科指導の実施回数が制限されたことによる。 使用計画) 今年度生じた未使用額については,次年度の助成金と併せて使用計画の内訳に即して使用する予定である。
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Research Products
(1 results)