2019 Fiscal Year Research-status Report
発達障害のある子どもを含めすべての子どもを援助するチーム学校の校内委員会
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19K02912
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
家近 早苗 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (40439005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 春樹 東京成徳大学, 応用心理学部, 准教授 (20750095)
石隈 利紀 東京成徳大学, 応用心理学部, 教授 (50232278)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コーディネーション / コンサルテーション / 校内委員会 / チーム援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①専門スタッフと教師との「横の連携」と「縦の連携」の促進・妨害要因およびコーディネーターの役割を明らかにすること、②発達障害の子どもを支援する校内委員会の「横と縦の連携」を促進・妨害する要因の相互の関係について、校内組織・システムの視点から明らかにすること、③校内委員会の「横の連携」と「縦の連携」の機能が、校内のすべての子どもへの援助サービスに与える影響について明らかにすることである。 平成31年度は、大阪府、神奈川県、東京都、高知県の小・中学校(各都県小学校2校、中学校2校で計16校程度)で校内委員会を通した、教師、SC、SSW、OT、PT、STによるチーム援助の先進的な実践事例を検討することを計画していた。この計画に従い、高知県の小学校4校、中学校2校については、研究代表者(家近早苗)・研究分担者(石隈利紀)が2019年7月、2020年2月の2回、各学校を訪問して学校長、教師に対するコンサルテーションを行った。また、各学校の校内委員会の活動状況と児童生徒の問題行動との関連についてデータを収集した。調査は、教師と児童生徒を対象として行い、教師に対しては校内委員会の機能、教師の意識、教師の援助行動について質問紙による調査を実施した。また児童生徒に対しては、教師の援助に対する評価、学校への適応について実施した。結果についてはさらにデータを増やす予定であるが、協力校と教育センター指導主事に対して中間報告として経過をフィードバックした。 さらに、コーディネーション、コンサルテーションについての新しい知見と情報を収集するために、スイスのバーゼル大学で開催されたThe 37th ISPA Conferenceに参加し、シンポジウムやポスター発表を通して具体的な情報の収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、大阪府、神奈川県、東京都、高知県での校内委員会を通した好事例について各都県小学校2校、中学校2校で計16校程度を対象として検討することを計画していた。しかし、実施できたのは高知県の小中学校6校での調査であった。大阪府、神奈川県、東京都で先進的な校内委員会を実施している学校との調整が遅れているために、進捗状況に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に調査を実施した高知県の小中学校6校については、2020年度も引き続きコンサルテーションと、教師・児童生徒に対する調査を継続する予定である。また先進的な校内委員会の取り組みを進めている学校の選出と調整については引き続き進める。 2020年度の予定としては、大阪府、東京都の学校(予定各2校)での校内委員会へ参加し、SCらの参加する校内委員会の機能(相互コンサルテーション、連絡調整、個別の援助チームの促進、マネジメントの促進)の観点から、チーム学校への促進・妨害要因の相互関係、校内委員会の機能が通常学級での援助に与える影響について検討し、チーム学校の効果についての要因を抽出し、調査項目を作成する予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度計画していた、海外での学会(National Association of School Psychologists) への参加、ポスター発表を予定していたが、参加できなかった。
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Research Products
(3 results)