2022 Fiscal Year Annual Research Report
授業のユニバーサルデザインの効果検証と実施プログラムの開発
Project/Area Number |
19K02916
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
菊池 哲平 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (70515460)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 授業のユニバーサルデザイン / 発達障害 / 合理的配慮 / 環境調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度にあたる今年度は、授業のユニバーサルデザインを小・中・高等学校における授業づくり・学級経営に関する学校教員の研修ニーズ及び特別支援教育に関する意識についてWEB調査を行うと共に、教科学習以外での発達障害児の学校生活における困り感について検討した。特に授業のユニバーサルデザインを導入するためには、学校教員が合理的配慮やインクルーシブ教育について正しい知識・理解を持ち、発達障害のある児童生徒に対して積極的に配慮・支援を行う必要があると思われるが、小学校・中学校・高等学校の学校段階で教員の理解や意識に違いがみられることが明らかになった。そのため、授業のユニバーサルデザインを学校教育システムの基盤として展開していくためには、各学校段階毎に研修方法を柔軟に変更して教員意識を変容させる必要があることが示唆された。 研究期間全体を通じて、授業のユニバーサルデザイン化における具体的な取組の効果検証については研究期間中にコロナ禍に見舞われたことにより十分には進捗できなかったものの、教員の手立てや環境整備のあり方などについて一定の知見が得られた。またコロナ禍によりオンラインによる授業方法がメジャーになったため、オンライン授業におけるユニバーサルデザイン化についても検討し、いち早く研究知見を発信するなどを行うことができた。一方、授業のユニバーサルデザイン化を普及するためには、教員の意識に大きく開きがあることが課題であり、発達障害に対する理解やインクルーシブ教育や合理的配慮などについて広く啓発すると共に、単なる研修機会の増加だけでなくこれからの学校教育システム全体の中で位置付けることが重要であると考えられた。
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