2020 Fiscal Year Research-status Report
学齢聴覚障害児の日本語読み能力・学習到達度の評価と読解力向上指導プログラムの開発
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19K02932
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
加藤 哲則 愛媛大学, 教育学部, 教授 (90510199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 聡大 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (00444654)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 聴覚障害児童 / 日本語読み能力 / 学習到達度 / 包括的領域別読み能力検査 / 標準学力検査NRT / 特別支援学校(聴覚障害) / 指導プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,①学齢聴覚障害児の日本語読み能力と学習到達度について継続的な検討をすること,②特別支援学校(聴覚障害)教員との協働による評価に基づく新たな指導プログラムの開発・実施・検証を行うことの2点である。これらをとおして,学齢聴覚障害児の日本語の読み能力の向上と学力向上に直接的に寄与することをねらいとしている。 今年度の研究は,全国の小学部が設置されている特別支援学校(聴覚障害)へ研究協力の依頼を行い,23校280名を対象に,特別支援学校(聴覚障害)の教員との協働で,読み能力と学習到達度の評価を実施した。読み能力の評価には包括的領域別読み能力検査(CARD)を3年継続,学習到達度の評価には数研式標準学力検査NRTを2年継続で実施している。しかし,新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止措置として,全国の学校が臨時休校となったことに伴い,研究協力児童280名のうち両検査が実施できたのは65%に留まった。今年度はその2回目を前年度実施できた児童を対象に,2021年1月から開始した。 目的の①について,過去3年間の研究成果をベースとして,学齢聴覚障害児の日本語の読み能力の領域別かつ包括的な評価と学習到達度に関する縦断的な評価の実施と評価・対象児へのフィードバックを行った。 目的の②については,新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止の観点から,23校のうち近隣の2校のみで語彙力の向上をめざした新たなプログラムの試行を開始した。現在,研究協力校2校の教員と協働でプログラムを実施中である。プログラムの効果については,次回の読み能力評価によってその効果を検証予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究協力ならびに対象児童の確保と検査の実施手続きまでは順調に進展したが,新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止措置として,全国の学校の臨時休校措置をとったために,研究協力校での検査の実施が全体の65%に留まった。また新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止の観点から,全国に点在する各研究協力校への訪問等が制限されたために,指導プログラムの策定や試行が十分に実施できない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力校との関係は良好であることから,対象数の減少はあったものの基礎データは確保できている。ただし新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止の観点から,研究協力校への訪問が規制を受けているので,研究規模を縮小して近隣の協力校のみを対象にプログラム開発・実施・検証を進めることとした。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のために研究協力校への訪問等が規制されたことにより旅費の支出が予定よりも大幅に減少したことによる余剰金が大きくなった。今年度は検査の実施にかかる経費と検査の採点・処理に関わる人件費等で,繰り越し金も含めて執行する予定である。
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Research Products
(1 results)