2020 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between braille size and finger size: research on Braille size suitable for fingers
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19K02938
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Research Institution | Yokohama College of Commerce |
Principal Investigator |
大島 研介 横浜商科大学, 商学部, 講師 (80636811)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 点字 / 身体サイズ / 点字サイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
1825年のルイ・ブライユの点字の発明以降、点字は6点の凸点が指先に収まる範囲のサイズであることは変わらないが、世界中でサイズの異なる点字が普及してきた。しかし、点字サイズは、点字読書の速さや精度と関連することから、適切なサイズの点字を利用することが重要であると考えられる。また、点字を読み取る指のサイズにも個人差(人種・性別・発達段階なども含む)があり、指のサイズに応じて、適切な点字サイズが変わってくる可能性があるが、実証的な研究は十分ではない。そこで本年度は、昨年度の調査に引き続き「国ごとの点字サイズのバリエーションは身体サイズと関連するのか?」という点を明らかにするため、文献調査により収集したデータ(点字サイズ・各国の平均身長・手の大きさ・指の大きさ)に関する統計データを用いて、分析を行った。結果、点字サイズのうち、横点間(1点と4点の中心の距離)と身長の間に強い相関がみられた。一方、手の大きさ(手首から中指の指先)、人差し指の長さと点字サイズの間に相関はみられなかった。このことから、手の大きさと点字サイズの間に関連がない可能性もあるが、身長に比べ、手の寸法データセットは元々の国のデータ数が少ないため、十分な検討が行えていない可能性が考えられる。また、今回は、手と指の長さを指標としたが、指のサイズの指標としては、メルケル盤との関連が示されている人差し指の指先の寸法を指標とすることが望ましいため、今後、手の寸法に加え、指の寸法に関するデータセットの文献調査を進め更なる分析を実施する必要性が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献調査により、手の寸法に関するデータセットは部分的に収集できたが、相関分析を行うためには国ごとの個別の文献調査が必要になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
手の寸法に関する文献調査を進める一方で、3Dスキャナを用いて、点字のサイズを計測する仕組みづくりの検討を行う。点字サイズの計測の方法がかたまり次第、各国の点字文書の収集のための調査研究を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、コロナ禍の影響もあり、大学に外部業者を呼ぶことができず、予算の大部分を占める3dスキャナの選定と購入を行うことができず、予算を計画通りに執行できなかった。次年度は、業者とオンラインで相談するなど、現状でできる範囲で選定をすすめ、3dスキャナの導入を行う計画である。
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