2019 Fiscal Year Research-status Report
Organization of essential vocabulary and development of vocabulary instruction in the elementary school level special needs education
Project/Area Number |
19K02951
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
大伴 潔 東京学芸大学, 特別支援教育・教育臨床サポートセンター, 教授 (30213789)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 語彙 / 特別支援教育 / 言語発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、特別支援教育対象児における重要語彙の体系化の実態調査に向けて語彙の選定作業を行った。日常生活や各教科の指導、特別活動等を想定した中核的語彙を阪本(1984)等の学習語彙リストを参照しながら抽出し、教科書等の品詞別・教科別の出現頻度との比較を行った。選定の過程においては、特に重要と思われた語彙を74語抽出した。これらについて以下の8つの意味的側面で分類を行ったところ、動作語⑤が最も多くを占めた:①抽象的関係(時間や位置を表す語など)、②人間活動の主体(人を表す語)、③人間活動(教科名など)、④精神的活動(心的活動を表す動詞)、⑤人の行為(動作語)、⑥生産物・用具(物品名称)、⑦人の内的状態(心的状態を表す形容詞)、⑧状態(状態を表す動詞・形容詞・副詞)。動作語は教科や活動の内容への依存度は低く、生活の中で培われた語彙知識を反映すると考えられる。そこで今年度は動作語に焦点を当て、予備調査用語彙を選定した。 なお、①の抽象的関係を表す語の中で、位置や向きを表す空間的語彙の知識について3歳後半~4歳前半の幼児を対象にして実験的調査を行ったところ、「上・下」は理解と表出の両側面において80%以上の正答率になり、位置を表す語彙の中でも早期に獲得され、「うしろ」に関しても2つの課題で70%以上の正答率であり,早期に獲得されることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は、既存の資料を収集し分析することで実施可能であったため、調査用語彙の選定を行うことができ、比較的順調に進展した。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度以降は、典型発達を示す幼児ならびに知的障害のある児童生徒、言語発達に課題のある通級指導を利用する児童を対象とした語彙知識の調査を行う予定である。しかし、新型コロナウイルスによる学校における新年度の授業の遅れ、ならびに予想される授業形態の変化によって、当初予定していた個別的調査が困難になる可能性もある。調査の実施方法を修正しながら進めていきたい。
|
Causes of Carryover |
令和元年度は謝金の支出を見込んでいたが、データ分析のための謝金が不要となったため、残額が生じた。次年度のデータ分析に充てることを予定している。
|
Research Products
(2 results)