2019 Fiscal Year Research-status Report
English Education for Children with intellectual disabilities
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19K02953
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
高野 美由紀 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70295666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有働 眞理子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (40183751)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特別支援学校 / 英語教育 / ストーリーテリング / 知的障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
知的障害特別支援学校での英語教育に対する教員の意識について、2017年に行ったの調査データをKJ法を用いて分析した。知的障害の程度の重い児童においては、言語を学ぶ土台作りが必要で、教科として英語を学び修得するというよりも、英語に触れる遊びにより生活を豊かにし、対話・コミュニケーションの素地が養われることが期待されるとの考えが抽出された。また過去の事例をもとに、インクルーシブ環境での外国語活動について、その内容、児童の反応を手掛かりに意義について考察し、これらを8月にグラスゴーで開催された国際知的発達障害学会(IASSIDD)において発表し、意見交換を行った。 11月には、特別支援学校教員、国語教員の経験がありスピーチ・セラピストでもある英国の研究協力者Nicola Groveの来日に合わせて実践協力者とともにワークショップおよび研究会を実施し、特別支援学校小学部での外国語活動やインクルーシブ環境での外国語活動・英語科授業の教材や実践計画について討論した。特に、対話型、参加型のストーリーテリングを用いて授業を行うことを子どもの発達理論、物語の特徴をふまえて工夫することで、外国語活動等が言語発達を促しうる可能性について論じ、今後検証していくことになった。 2月には、全国の特別支援学校小学部を対象に、外国語活動や英語を用いた授業についての実態調査を行った。今後分析を行い2020年度には中学部や高等部等での調査を予定している。また、紙芝居という日本の文化を海外に広めている野間成之氏を招いて研究会を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2月までは比較的順調に研究を進めることができたが、新型コロナウィルスの感染拡大により3月に予定していた英国訪問、研究会の参加・意見交換ができず計画したものの実施できずにいることが複数ある。具体的には以下である。 3月初旬に、英国の研究協力者を訪問し、外国語学習を言語発達を支援するという視点で協議すること、英語絵本等教材を吟味し収集することを計画していたが、次年度以降に延期することのみが決まっており、今のところは目処は立っていない。 また、3月中旬に英語の活動・授業の評価の在り方について検討するために、外国語活動の評価に関する研究の成果報告会の出席とその主催者である研究者との意見交換を予定していたが、研究会が中止になり意見交換も中止となった。
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Strategy for Future Research Activity |
渡英等の海外出張は令和3年度に行うよう計画の修正を行い、それ以外については可能な限り当初の計画通りに研究を進めていく。知的障害のある児童生徒の英語教育における目標・内容、意義の明確化については、先駆的に取り組んでいる学校・教員へのインタビューを分析していく。知的障害のある児童生徒への英語教育の指導モデル案の開発については、小学校通常学級、特別支援学級、知的障害特別支援学校小学部のような横の連続性を意識して取り組んでいく。知的障害のある児童生徒への英語教育の評価指標の検討については、小学校外国語活動の評価に関する研究をレビューから進めていく。
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Causes of Carryover |
3月に渡英し、研究協力者であるEssex大学のVictoria Joffe教授と吟味しながら英語絵本や教材を購入する予定であったが、大学での受け入れが困難になり渡航が延期されたため。
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