2021 Fiscal Year Research-status Report
English Education for Children with intellectual disabilities
Project/Area Number |
19K02953
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
高野 美由紀 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70295666)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有働 眞理子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (40183751)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 知的障害 / 特別支援学校 / 英語教育 / 外国語活動 / ストーリーテリング |
Outline of Annual Research Achievements |
1.知的障害児童への英語の活動・授業についての調査:2020年2月に調査した全国の特別支援学校(知的障害)小学部での英語の活動・授業(外国語活動、その他の英語の歌を歌うなどの活動)について集計、分析した。およそ6割の学校で英語の活動・授業を行っており、2016年の兵庫県での調査に比べて増加傾向にあったことが明らかになった。教育課程は、教科等合わせた指導が最も多く、頻度は学期に1‐2回かそれ以下が大半で、9割の学校が英語の活動・授業は有意義だったと回答していた。 小学校での中学年以降の英語の授業(外国語活動、外国語科)について、特別支援学級(知的障害)在籍の児童への指導についてアンケート調査を行った。交流学級で英語の授業を受けている児童が多いものの、一部は交流学級での英語の授業に参加したがらない、難しいなどで授業に参加していない児童もいた。 2.指導のモデル案および教員研修:知的障害の児童生徒への英語の活動・授業に適した教材としてマルチセンソリー・ストーリーテリングを検討した。ストーリーテリングの、障害のある子どもたちの発達支援に係る意義を整理し、インクルーシブ環境での学びや意味ある言語活動に適している可能性を指摘した。語るのに適した物語の選出、語るための調整の在り方について、考察した。また、英国のスピーチ・セラピストであるニコラ・グロウブ氏、紙芝居の第1人者の荒木文子氏を招いてオンラインおよび対面にて教員等と研究会を実施し教員研修の方向性を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
特別支援学校小学部、小学校での英語の活動・授業について現状を調査するアンケートを実施することはできたが、実践現場での具体的な活動や教材を分析するまでには至らなかった。 また、学習評価について、どのようにしていくとよいのかということについては未着手である。 当初、英国での言語指導を参照して指導の内容・方法を吟味する計画をしていたが、コロナ感染症拡大につき現場視察が不可能な状況が続き、大幅な修正が迫られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
特別支援学校中学部や中学校での調査を開始し、特別支援学校小学部・小学校についての分析結果との比較も含め、連続性のある学びの具体的な方法を考察する。 特別支援学校での特色あるカリキュラム・マネジメント、小学校英語での学習評価の現状と課題について資料収集・分析を行い、知的障害者である児童生徒の英語の活動・授業についての評価について、考察していく。 また、マルチセンソリー・ストーリーテリングがインクルーシブ環境での学びや意味のある言語活動に適しているというこれまでの研究成果をふまえ、英語教育におけるマルチセンソリー・ストーリーテリングの具体的な活用のため指導計画を作成し。可能な実践を行っていく。
|
Causes of Carryover |
コロナ感染症蔓延により、英国での調査が不可能であり、また特別支援学校や研究者への訪問ができず、予定していた資料収集ができなかったため延長を申し出た。 アンケート調査、学校や研究者訪問による資料収集、学会発表、研究会等での専門家による指導助言、マルチセンソリー・ストーリーテリングの活用に関する書籍の作成など計画している。
|