2019 Fiscal Year Research-status Report
知的障害のある児童生徒の働く意欲を喚起し、職業的自立を可能とするキャリア教育
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19K02956
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
戸ケ崎 泰子 宮崎大学, 教育学部, 教授 (40300040)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 知的障害 / 課題解決能力の向上 / 生活単元学習 / 教科別の指導 / 特別支援学級の担当教員の専門性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年に告示された新学習指導要領では,学ぶことと自分の人生や社会とのつながりを実感しながら,自らの能力を引き出し,学習したことを活用して,生活や社会の中で出会う課題の解決に主体的に生かしていくという側面から見た学力の向上に向けて,教科等を学ぶ意義の明確化と教科等横断的な教育課程の検討・改善を図ることが一層重要であると強調された。また,教育課程全体を通してキャリア教育の充実を図ることについても一層重視されるようになった。 1年目の2019年度は,「知的障害特別支援学級におけるキャリア教育の実践に向けた教育課程の在り方」を検討するために,「教科別の指導」と「各教科等を合わせた指導」との関連づけに注目して,生活単元学習を関連づけた数学科指導を構想し,実践の成果を検証した。また,生活単元学習の授業づくりについては,授業者の理解不足が指摘されていることから(竹林地,2017など),本研究では,複数の教員が学習指導案検討から研究授業までの一連の取組に参加する形態の授業研究会を実施して,担当教員の授業づくりの専門性の向上に向けた授業研究の進め方についても検討した。 その結果,複数の教員による授業づくりの検討会を行うことは,授業者のみならず特別支援学級を担当する他の教員にとっても,生活単元学習の関連づけた教科教育の授業づくりの意義の理解を深め,教育効果の高い実践につながるという有用性が確認できた。また,授業の目的や目標を明確にした上で対象生徒の実態をふまえながら授業の具体的な内容や指導・支援方法についての十分な議論を経て構想した授業では,対象生徒が主体的かつ意欲的に学習に臨む姿が観察された。さらに,当該授業で学んだ課題解決方法を他の授業や授業以外の場面でも積極的に生かそうとする様子もうかがえるようになった。 これらの取組は,宮崎大学教育学部紀要の論文としてまとめ,現在印刷中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特別支援学校等を対象としたキャリア教育に関わる教育課程や進路指導に関する実態調査を計画しているが、新型コロナウィルス感染防止対策の影響を受け、調査実施が困難な状況に陥った。今年度はこの状況をふまえながらも、調査の実施に向けて活動していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
特別支援学校等を対象としたキャリア教育に関わる教育課程や進路指導に関する実態調査については、新型コロナウィルス感染状況等をふまえながら、調査の実施に向けて活動していく予定である。
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Causes of Carryover |
特別支援学校等を対象としたキャリア教育に関わる教育課程や進路指導に関する実態調査を計画しているが、新型コロナウィルス感染防止対策の影響を受け、調査実施が困難な状況に陥った。今年度は状況等をふまえながら、実態調査を行っていく計画である。
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