2023 Fiscal Year Research-status Report
知的障害のある児童生徒の働く意欲を喚起し、職業的自立を可能とするキャリア教育
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19K02956
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
戸ケ崎 泰子 宮崎大学, 教育学部, 教授 (40300040)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 知的障害 / 特別支援学校 / コミュニケーション能力 / 職場適応 / ナチュラルサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
1 特別支援学校(知的障害)に在籍する児童生徒のキャリア発達段階要因に関する実態調査と実践研究-インフォーマルコミュニケーション能力に焦点をあてて- 知的障害者の就労に関しては、知的障がい者、特別支援学校の教師、雇用者である企業は共通して、コミュニケーション力を重要視している。特に、就労している知的障害者は、休憩時間の雑談等のインフォーマルコミュニケーションに難しさを感じていることから、学校教育段階から児童生徒にインフォーマルコミュニケーションの指導・支援を行うことが必要であると考える。しかし、特別支援学校に在籍する知的障害のある児童生徒のインフォーマルコミュニケーションの実態については明らかにされていない。そこで本研究では、特別支援学校の高等部に在籍する知的障害ある生徒のインフォーマルコミュニケーションの実態を明らかにすることを目的として生徒と教師を対象とした質問紙調査を実施した。 この調査研究の結果を踏まえて、特別支援学校(知的障害)高等部の生徒を対象としたインフォーマルコミュニケーション能力育成に焦点をあてたキャリア教育に取り組んだ。その結果、それぞれの生徒のインフォーマルコミュニケーション能力の向上が確認されるとともに、国語科を中心とした教科別の指導を含む教育課程全般にわたるキャリア教育の重要性が示唆された。
2 一般就労した知的障害者に対するナチュラルサポート形成と職場適応の過程に関する研究 知的障害者の職場適応を高め、職場定着を促進するために必要となるナチュラルサポートに注目して、一般就労した知的障害者に対するナチュラルサポートの形成過程と職場適応状況に関して、約1年間の追跡調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特別支援学校の児童生徒や教員を対象とした調査研究、特別支援学校におけるキャリア教育の実践に関する研究を実施した。また、一般就労した知的障害者を対象としたインタビュー調査による職場適応とナチュラルサポートとの関係について探究し、論文投稿、学会発表により研究成果も公表している。 最終年度にまとめる予定であった報告書の準備も整っていることから、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は最終年度であることから、これまでの研究データを分析し論文として公表したり、報告書にまとめる計画である。 また、本研究の成果を発展させるための今後の研究計画を準備する予定である。
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Causes of Carryover |
研究成果の報告書の編集・印刷を行うためのスケジュールを延期したため、報告書の作成費用として次年度使用額が生じている。 2024年度中に、報告書をまとめて、研究協力者とうに発送することとしている。
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