2021 Fiscal Year Annual Research Report
読み困難リスクの早期アセスメントと支援方法に関する研究
Project/Area Number |
19K02957
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
雲井 未歓 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (70381150)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 学習困難 / 学習障害 / 平仮名 / 漢字 / リスク要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、読みの学習困難リスクを幼児期から小学校低学年の段階で評価する方法と、それに基づいた介入(支援)の効果を明らかにすることを目的としている。今年度は主に(1)小学生における文章の読み取り能力と単語の読みスキルの関連、(2)小学校通常の学級における単語読みの流暢性への介入効果について、それぞれ検討を行った。(1)は、統合-構築モデル(Kintschら,1978)に基づいた読解の4側面を評価するための課題を新たに作成し、小学3~6年生950名を対象に調査を行った。調査に際しては学校長の許可のもと担任を通して保護者の同意を取得した。読解の4側面の得点分布はいずれも学年との相関を示し、アセスメントとしての妥当性が確かられた。この課題の下位10%以内を低成績とし、各種単語読みスキルとの関連を分析したところ、読解の低生起が単語読みスキルの低成績に起因する児童と、単語読みスキルは良好で読解に特異的な低成績を伴う児童が確認された。これらの児童では必要な支援が異なると考えられ、低学年時における単語読みスキルの実態把握と早期予防的介入が重要であることが指摘できた。(2)は昨年度の検討を継続・発展させて実施した。対象児は小学1~6年生860名に増加し、1~3年生にはひらがな単語、4~6年生については漢字単語に関するプリントワークを実施した。この介入の前後に行った評価結果を比較したところ、成績が上位の児童を含め顕著な得点増加が全体的に確認できた。また介入前に低成績水準にあった児童の多くが、介入後には非低成績となった。これらのことから、本研究のワークに通常の学級で一斉に行う介入としての有効性が示唆された。
|
Research Products
(5 results)