2019 Fiscal Year Research-status Report
学習方略の視覚的フィードバックによる学習行動の改善に関する研究
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19K02975
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
福住 紀明 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (80801878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 達也 高知工科大学, 共通教育教室, 講師 (00743791)
野中 陽一朗 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (30735270)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 学習方略 / フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大学生の学習方略尺度を開発し,視覚的フィードバックによる大学生の学習行動を改善し,その効果検証を視覚的フィードバックの情報量と視認性の適切さを高めることで,その有効性をさらに高め,簡便で有効な視覚的フィードバックを提案することを目的としている。学習方略は,大学生における重要な学力の要素とされることから,学習方略尺度の結果をグラフ化し,視覚的にフィードバックすることで,大学生の学習行動を改善し,エビデンスに基づいた形での,大学生に簡便で有効な視覚的フィードバックを提案することを目的とする。 令和元年度は,学習方略の尺度を作成するために,国内外の学習方略の研究を概観した。その結果,先行研究では学習方略の効果に着目した研究が多いが,学習の捉え方によって尺度内容が大きく変わることが示唆された。その背景には,これまで大学における高等教育においては,知識を詰め込むタイプの学習成果が志向されてきたが,近年では主体的な学習態度の学習成果が志向するようになってきたことがあると推察される。主体的な学習態度の学習成果を志向するアクティブ・ラーニングを代表とする学習環境の変化が進められるなか,そういった授業の中で必要とされる個人要因としての学習方略を検討することの必要性も示唆された。そのため,従属変数としての学習成果をGPAのような学業成績だけでなく,主体的な学習態度といった学習の質にも着目することの必要性が示唆された。 以上より,大学生の学習方略をフィードバックによって変化させるという本研究を遂行するにあたり,既存の学習方略研究に沿ってフィードバックに重点をおくのか,それとも大学生の学習方略に重点をおくかを精査するために,学習レベルについて検討した上で研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1で大学生を対象に調査を実施する予定であったが,COVID-19の流行のために,調査の延期を行った。令和2年度において,研究1と研究2の実施を行うこととなったため「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1では学習方略尺度を作成し,研究2では学習方略の視覚的フィードバックの評価に関する研究を推進する。今後,COVID-19がさらに流行する可能性もあるため,web調査の実施も視野に入れて研究を推進させる。
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Causes of Carryover |
研究1の実施分の経費を令和2年度に持ち越しているため。
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