2023 Fiscal Year Annual Research Report
Developing an Educational Environment that foster Agency of Students based on Actor-Network Theory
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19K02984
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
岸 磨貴子 明治大学, 国際日本学部, 専任准教授 (80581686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 征彦 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (60337615)
今野 貴之 明星大学, 教育学部, 准教授 (70632602)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アクターネットワーク理論 / 学習環境デザイン / パフォーマンス / ニューマテリアリズム / エージェンシー / アートベース・リサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画していたとおりに研究を進めることができた。本研究の目的は,アクターネットワーク論(Actor-network-theory:以下 ANT)を理論的枠組みとし高等教育の学生がICTを活用しながら即興的・協働的に知識を構築していく教育環境を構成する社会-技術的ネットワークの構造を明らかにすると同時に,その環境を作り変えたり,生み出したりするための資質・能力 (エージェンシー)を高めるための教育環境を開発することである。 2023年度の成果のひとつは、国内外での学会や研究会など学術コミュニティでの報告である。特に、理論的観点からANTにパフォーマンスという見方を導入することで、エージェンシー概念をアップデートできた。もともとのANTでは、エージェンシーはさまざまな関係から生み出された効果と位置づけられているが、このような見方では、新しい関係を生み出そうとするエージェンシーはうまく扱うことができなかった。パフォーマンスの見方を取り入れることでANTを理論的枠組みとした実践研究をさらに発展させることができた。 次に、コロナ感染対策の観点から延期となっていたフィールドワークの事例研究ができたことである。エジプト日本科学技術大学と連携して行った学生間の合同リサーチを事例とし、参加学生が新たな社会-技術的ネットワークに入ることでいかにエージェンシーを発揮していくかを調査することができた。 最後に、学生のエージェンシーが発揮される場をデザインする「インプロバイザーとしての教師」をテーマとした教材を開発したことである。 さらに、本研究を通して、アートベース・リサーチとの接点を見出し、新たな実践と研究の方向性を明確にすることができた。その国際的動向については、P.Leavyのアートベース・リサーチ・ハンドブック(全38章)を翻訳し、出版を通して本研究テーマに関連する議論を始めることができた。
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