2021 Fiscal Year Research-status Report
USR意識の醸成を目指す教職協働初任者研修の開発と評価
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19K02988
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Research Institution | Shikoku University Junior College |
Principal Investigator |
富岡 直美 四国大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (00644262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 宏之 四国大学, 経営情報学部, 准教授 (80787002) [Withdrawn]
栢木 紀哉 摂南大学, 経営学部, 教授 (40300389)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | USR / FD / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、USR(大学の社会的責任)意識を醸成するための教職協働初任者研修に最新の教育方法を導入して開発すること、および研修前後における教職員の業務に対する意識の変化と組織運営への影響を測定評価することを目的としている。 2021年度は、2020年度実施の研修について評価を行い、参加者からも一定の評価が得られたことから、同様の内容で更に2021年9月にオンライン研修を実施し、データを収集した。 2020年度実施の研修は、過去の研修における課題を改善して実施した。2020年度実施の研修成果について分析した結果は、2021年10月の日本教育工学会2021年秋季全国大会においてポスター発表を行った。発表時には特にFDに関心を持つ方々と意見交換をすることができた。さらにUSRの導入に関しては世界的な課題であることから、国際学会において英語でこの研修について発信することが求められる。そのため、2022年9月開催のEAIE(European Association for International Education)に投稿し、2022年3月に採択が決定した。 一方、研修をより効果的に遂行するためのICTツールの開発に関しては、プロトタイプの開発・試用段階まで進めることができた。研修実施の際、有志によるファシリテーターへのヒアリング調査から得られた、ファシリテーションの円滑な進行に困難を感じるという課題の解決に焦点を絞り、ファシリテーションの遂行を支援するツールの開発に方向性が定まった。ファシリテーターが直面すると想定される困難な状況に対して、解決案を提示するツールの開発を目指しているが、試行段階で、ファシリテーションに気を配りつつ支援ツールを操作するという2つの作業を同時に行うことが困難であると明らかとなった。この問題を解決するために、システムの改良を進めている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年と同様に、研修の実施やデータ分析、結果の公表についてはおおむね順調に進んでいる。 しかし、新型コロナウィルスの影響で、インタビューや海外視察などが滞ったままになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、新型コロナウィルスの影響で実施できていない海外視察やインタビューを行い、研究の遅れを取り戻したい。特に、2022年9月のEAIEにおける発表を実現させ、USRの導入に特に力を入れているヨーロッパの関係者と意見交換を行い、他国の先進的な取り組みも学びたい。 また、原著論文を執筆するためにはデータ数が少ないという課題があるため、今後更に2022年度に同様の研修を実施し、2020~2022年度の3年分のデータを合わせて分析を行う予定である。 ICTツールの開発については、2021年度の試用で明らかとなったプロトタイプの課題を解決し、コンテンツの整理、基本設計およびインターフェース設計を見直して、リリース版として完成度を高めることを計画している。 海外における学会発表は、新型コロナウィルスの影響により断念せざるを得ない可能性も否定できないことから、今後、さらに状況に応じて研究実施計画を変更することも想定しておく必要がある。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、海外出張ができなかったため旅費分が執行されなかった。2022年度は海外での国際学会の発表を予定しており、これに伴う学会参加費および旅費の支出を見込んでいる。再びコロナ禍で海外渡航が不可能な場合は、調査にこの経費を用いることを想定している。
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Research Products
(1 results)