2021 Fiscal Year Annual Research Report
学校教育現場のためのスポーツ指導支援システムの開発
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19K02990
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
丸山 智章 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (00455114)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スポーツ指導 / 体操競技 / ICT活用 / 運動解析 / 指導支援システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,学校教育現場のためのスポーツ指導支援システムの開発を目的とする。加えて,ICT機器の導入による教育効果を検証するものである。昨年度よりコロナ禍に見舞われ,学校における課題活動に制限がかかってしまった。そこで,対象を活動が可能であった地域の小学生向けの体操クラブに切り替え,そこでのICT機器の導入による指導支援効果等を検証することとした。 測定対象は,体操競技の初級技の中でも指導が難しい「側方回転」とした。その動作をアクションカメラにより測定し,解析・評価した結果を,画像や動画,小学生にも分かりやすい点数や「はなまる」等の視覚的評価によるフィードバックシートとして提示する指導支援システムを開発し使用することとした。指導支援システムの支援手順は以下の通りである:1)側方回転を撮影;2)自作プログラムにより実施技を評価;3)フィードバック用の画像・動画とともに評価結果を出力。指導者の意見を参考に,評価項目は1)踏み込み,2)着手時の両手位置,3)回転の美しさ(膝の伸び)とした。 本システムの有効性を確認するため体操クラブで実験を行った。被験者は,体操クラブ所属の小学生選手16名である。実験を通して,体操競技で重要な演技中の膝の曲げ伸ばしを正しく評価できることを確認した。小学生選手からは「はなまるは見て楽しい」,「比較画像が分かりやすい」,「良い点数を取るまで挑戦したい」との意見が得られた。また,指導者からは「動画と併せて提案システムの独自評価を用いることでよりやる気を出させることに効果があり,小学生に寄り添う指導ができると思う」との意見が得られた。これらから提案法は,小学生にとって自分の演技の評価,課題点を理解しやすくするものであり,加えて練習に対するモチベーション向上の効果があることが示された。これより,視覚的評価の提示が小学生の体操指導に有効であることが示された。
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