2019 Fiscal Year Research-status Report
IoT実践技術者育成のためのe-learningコンテンツの開発
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19K02992
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
小林 美緒 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 准教授 (30462146)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教育工学 / IoT / e-learning |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、IoT実践技術者育成を目的としたe-learningコンテンツを開発することである。IoT製品および事例の制作難易度や使用されている技術について体系的に構成されたe-learningコンテンツを開発し、学生が自主的かつ実践的にIoT技術を習得できるようにする。本研究の教育工学における独自性は、IoT技術者育成を目的とし、IoT製品および事例の制作難易度や使用されている技術について体系的に構成されたe-learningコンテンツを開発する点である。 本年度は、まず、コンテンツ作成に先立ち、学習用IoT事例制作に用いるハードウェアや開発環境についての詳細を調査し、必要機材の選定を行なった。IoT実践技術者育成のためのe-learningコンテンツとして、高専生低学年(1、2年生)を対象とし、初学者向けのIoT実習事例について、実習目的や構成、使用されている技術に着目し構成した。初学者向けのIoT実習事例について、さらに、導入編、基礎編、応用編にレベル分けし、それぞれに詳細な実習手順書を作成した。導入編は、マイコンやセンサを初めて使用する学生向けのコンテンツとして必要ソフトウエアのインストールや機材の使用方法を詳細に説明した。基礎編ではLEDを用いた基礎技術を取り入れた実習事例で構成した。応用編は、汎用的なセンサの使用方法と実習事例を取り入れた。それぞれ、実習手順および平均制作時間を明らかにし、徐々に難易度が上がるように構成した。また、現在実施されている授業科目との関連性について、実習内容や難易度の妥当性について検討した。また、日本教育工学会(JSET)の全国大会に参加し、IoT技術者教育の最新の動向を把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、IoT事例の作成に必要なセンサーやマイコン、モジュール等の機器類の選定を行い、学生貸出用の構築セットの準備を行なった。e-learningコンテンツについては、初学者向けコンテンツに着目し、段階ごとに学習できるようにレベル分けを行い、製作手順説明用の手順書を作成した。作成した初学者向け手順書には、センサーの原理や使用目的、作成手順を示す画像など、初学者にわかりやすい記述となるように、学生の視点を取り入れながら作成した。初学者向けのコンテンツの構築は、概ね順調に進んでいる。しかしながら、初学者以上のIoT技術学習コンテンツについては不十分であるため、引き続き、コンテンツの整備、構築を進めていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、初学者以上のIoT技術学習コンテンツの構築に着目し、e-learningコンテンツの整備を行う。初学者レベルコンテンツ学習終了後からスムースかつ連続的な学習が可能となるように、初学者以上のIoT学習コンテンツについてもレベル分けを行う。さらに、オンラインで学生が学習できるe-learningコンテンツとして配信するためレンタルサーバを契約し、Webアプリケーション環境を構築後、IoT技術学習コンテンツが配信できるように整備する。 コンテンツの評価と改善については、これまでに構築した初学者向けコンテンツの難易度やレベル分けが適切かどうかを確認するために、本校2年生の授業コンテンツの一部として使用することを計画している。学生に対してアンケートを実施し、設定難易度や習得可能な技術の妥当性を確認する。アンケートによる評価に基づき、よりわかりやすく、学びやすいツールになるように、説明書等の記述内容について改善する。e-leaningコンテンツで学習できる技術内容に不足があれば、IoT事例の追加を行い、また、解説内容をより具体的でわかりやすいものに改善する。今後、初学者以上のIoT技術学習コンテンツについても、高専2年生以上の学生に試用してもらい、同様にアンケートを実施する予定である。
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Causes of Carryover |
IoT実践技術者育成のためのe-learningコンテンツ構築において、今年度は初学者対象のコンテンツに着目して構築を行なった。初学者対象のコンテンツの学習に必要な環境の構築はほぼ完了しており、構築した環境は、初学者以上の学習にも共通で使用できるものである。今回、次年度使用額が生じた理由は、次の3つである。1) 初学者学習コンテンツの構築に着目して研究を行なったため、初学者以上の応用的な内容の学習で必要となるセンサーやデバイスの購入には至らなかった、2) 既存のスマートフォンを動画撮影用機材として試用したため、動画撮影用のビデオカメラの購入を行わなかった、3) 研究進捗に応じて、日本教育工学会(JSET)の全国大会に参加視察のみの旅費支出となった、ためである。今後、次年度使用額について、初学者以上の応用的な内容の学習に必要となるセンサー類の購入費用、動画撮影機材の購入費用、研究成果を日本教育工学会(JSET)の全国大会にて発表するための旅費や論文投稿として使用することを計画している。
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