2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K03007
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
小川 仁士 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (60259926)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 情報技術基礎教育 / CSアンプラグド / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2(2020)年度は,当初設定した4つの学習テーマの中から,「割り込み処理」について学習することができるCSアンプラグド教材を,新たに考案し作成した。 本学習テーマにおいては,基本情報技術者試験の必修範囲になっているオペレーティングシステムの機能のうち,タスク管理を題材にしている。タスク管理において重要な学修事項となっているタスクの状態遷移図では,実行状態(Run)にあるタスクが内部割込み(本教材では,外部I/Oデバイスを利用するために発するI/O割り込みを想定している)によって,待機状態(Wait)に遷移し,さらに,I/Oデバイスから処理終了を知らせる外部割込みによって実行可能状態(Ready)に遷移して再びタスクの待ち行列に戻される過程を理解することが重要である。この仕組みは学習者の実生活において,様々な仕事を効率よく片付けていくためにはどのように行っていけば良いか?という課題に対して,コンピュータの仕組みと関連付けて考えさせることができ,貴重な学習体験ができる点が有益であると考えられる。 本研究では,カードを使ったゲームの中で体験的に学習することを可能にした。 具体的には,トランプとワークシート,タスクに見立てたカードおよびサイコロを用いて 最大4名が同時に対戦するカードゲームを考案し,ゲーム進行のルールの中にタスクがOSによって処理されていく過程を模擬することに成功した。 作成したCSアンプラグド教材を用いた授業も設計したが,新型コロナウイルス感染症の影響で十分な検証ができていない。また,学会等での発表も未達成なので,次年度はこの教材を用いて実験授業を行い,学習効果を確認していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染症拡大のため通常業務が煩忙を極め,当初想定していたエフォートのおよそ20~30%しか注ぎ込むことができなかった。そのほとんどが,教材考案と作成に費やすことになったが,良い教材が完成したものの,研究成果を学外へ公表することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
依然としてCOVID-19感染症拡大の懸念が拭い去れない状態が続き,次年度も成果発表を対面公式の場で行うことはできそうにない。このような状況からオンラインで成果発表できる場があれば,積極的に発表することを計画したい。また,残りの教材も逐次完成させていきたいが,新しい生活様式になじむような工夫も施す必要があるように感じている。実験授業についても,授業設計の段階からそのような考え方を導入していこうと考えている。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染症拡大のため,当初想定していたエフォートのおよそ20~30%しか注ぎ込むことができない中でも,新たな教材考案と作成は令和元年度に購入した機材を使って継続することができた。このように資材の購入を必要としなかったため,次年度使用額が生じた。また,学会発表のための旅費も使用しなかったため,令和2年度使用予定だった全額を次年度使用することとなった。COVID-19感染症の収束の見込みはまだ立たないが,次年度は最終年度ということもあるので,助成金を有効に活用し,これまでの研究成果を学会発表や論文投稿,Webサイトでの公開を通して学外へ公表する計画である。
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