2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of Pedagogy and Learning Materials for Improving Health Literacy of Senior Citizen
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19K03012
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
三輪 眞木子 放送大学, 教養学部, 特任教授 (90333541)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高齢者 / ヘルスリテラシー教育 / デジタルデバイド / 教育モデル / 健康寿命 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度には、先行研究調査および医療関係者を対象にインタビュー調査を実施し、患者の治療に関する意思決定や健康寿命維持努力における年齢等の属性による違いの有無について経験的知識を収集した。また、研究の進捗について学会等で発表した。先行研究調査およびインタビュー調査を実施するにあたっては、医療関係機関に勤務経験のある者を含む研究協力者5名を招聘し、年度内に5回の研究会を開催し、先行研究文献収集への協力、インタビュー対象の紹介、及びインタビュー内容について助言を得た。 先行研究調査結果から、先行研究結果の間に2つの矛盾を把握した。(1)日本人のヘルスリテラシーはヨーロッパ各国より低いにもかかわらず、平均寿命、健康寿命ともに長い。したがって、ヘルスリテラシーの高さと健康寿命の長さには相関は認められないため、ヘルスリテラシーを高めることが健康寿命を延ばすことに貢献するとは限らない。(2)ヘルスリテラシーと年齢の関係については、日本人では年齢とヘルスリテラシーの間に正の関係があるが、ヨーロッパでは、オランダを除くすべての国で高齢者のヘルスリテラシーは低い。したがって、年齢とヘルスリテラシーの関係は残された課題である。 【医療関係者のインタビュー調査】インタビュー対象を10名と予定したが、COVOT-19の蔓延により2020年2月以降は医療機関へのアクセスが困難になったため、年度内に7名のインタビューを実施した。 【研究発表】第36回医学情報サービス研究大会において、「高齢者のヘルスリテラシー向上のための教材開発と教育方法の提案」というテーマで口頭発表を実施した。また、2019年10月19・20日に龍谷大学で開催された第67回日本図書館情報学会研究大会において、「高齢者のヘルスリテラシー涵養を高める方策の提案」というテーマでポスター発表を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度には、先行研究調査を継続するとともに、医療関係者を対象にインタビュー調査を実施し、患者の治療に関する意思決定や健康寿命維持努力における年齢等の属性による違いの有無について経験的知識を収集する計画であった。先行研究調査を2019年10月までにほぼ完了し、その結果に基づいて医療関係者のインタビュー調査計画を作成して所属機関の研究倫理委員会に11月12日に研究計画書等を提出し、12月10日に承認された。これを受けて、1月~3月に医療関係者の対面インタビュー調査を実施する計画を作成し、10名の調査対象者から協力への了解を得た。しかしながら、COVOT-19の蔓延により一部のインタビューを電話やWeb会議によるインタビューに切り替えて実施こととなった。加えて、2020年2月以降は医療機関へのアクセスが困難になったため、3月末までには7名のインタビューを実施するにとどまり、残る3名については2020年度にCOVOT-19の感染終息を待って実施する予定である。このため、医療関係者インタビュー調査に遅延が生じている。 COVOT-19の蔓延により、県域を越えた移動の自粛が求められた結果、2020年3月に予定していた高齢者の健康医療情報行動の実態把握のための福岡県立図書館、福岡市立図書館訪問調査が中止となったため、研究費(旅費)を2021年度に繰り延べとした。 本研究のテーマは健康医療に関連するため、COVOT-19の状況によって研究計画が左右されることはやむを得ないと認識しているが、研究計画を予定通りに進捗させることには今後も困難が予測される。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年5月16日に予定されていた高齢者グループを対象とする講演において無記名のアンケート調査を実施し、参加者のヘルスリテラシーレベルと健康寿命を維持するために日ごろから心がけていることについてデータを収集する予定で、質問票を設計したが、COVOT-19の蔓延により講演会が2021年2月25日に延期されたため、データ収集に遅れが生じる見込みである。 COVOT-19の蔓延により、2020年18・19日に岩手医科大学で開催予定であった第37回 医学情報サービス研究大会(MIS37)にて「高齢者のヘルスリテラシー 向上のための教材開発に向けた医療関係者のインタビュー調査」というテーマで口頭発表を予定していたが、COVOT-19の蔓延により開催中止となったため、研究成果発表に遅延が生じる見込みである。 本研究のテーマは健康医療に関連するため、COVOT-19の状況によって研究計画が左右されることはやむを得ないと認識している。可能な限り、Web等のオンライン環境を活用してデータ収集に努める所存であるが、高齢者を対象とする調査ではパソコンやスマートフォン等を使ったネット環境に不慣れな方が多いため、紙媒体や対面での調査研究を実施せざるを得ないため、研究計画を予定通りに進捗させることには今後も困難が予測される
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Causes of Carryover |
インタビュー対象を10名と予定したが、COVOT-19の蔓延により2020年2月以降は医療機関へのアクセスが困難になったため、年度内に7名のインタビューを実施した。そのため、インタビュー謝金が減額となった。残るインタビューは、2021年度に実施予定である。インタビューの書き起こしのため研究補助者の雇用を予定していたが、2020年2月以降出勤自粛により雇用できなかったため、2021年度に実施する予定である。 COVOT-19の蔓延により、県域を越えた移動の自粛が求められた結果、2020年3月に予定していた高齢者の健康医療情報行動の実態把握のための福岡県立図書館、福岡市立図書館訪問調査が中止となったため、を2021年度に繰り延べとした。
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