2019 Fiscal Year Research-status Report
クラウドを利用した協働作業プロセスの定量的指標の開発と評価への応用
Project/Area Number |
19K03016
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
仙石 昌也 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40257689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 淳 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40340301)
久留 友紀子 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00465543)
橋本 貴宏 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60291499)
山森 孝彦 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70387819)
山下 敏史 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90622671)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 変更履歴 / Googleドキュメント / リビジョンマップ / 協働ライティング |
Outline of Annual Research Achievements |
クラウドによる共有ファイルを用いたレポート作成は,協働ライティングにおいて非常に有効なツールである。本研究ではクラウドサービスのG Suite for Educationを導入し,文章編集機能をもつアプリケーションであるGoogleドキュメントの編集保存機能を利用することにより,協働作業や文章作成プロセスの効率的なデータ取得を主要な目的としている。 Googleドキュメントに保存された変更履歴には入力した時刻と編集者,編集内容が記録される。協働に関する要素抽出の調査を開始するにあたり,これまでは複数名による編集時刻の重複からみた協働作業とセクション単位の編集者の重複(複数名が同一セクションを編集)による協働作業を独立して集計し分析してきた。今年度はこれらを融合することにより,定量化のための要素を調査する方法を探った。 Googleドキュメントを使ったパラグラフ単位の協働プロセスを可視化する試みとして,リビジョンマップ(V. Southavilayら(2013))がある。リビジョンマップは簡略版の変更履歴を時系列に並べ,英文に対してパラグラフ毎の文字の増減を色の違いで示している。 本研究では,編集および修正作業をを文字数の増減ではなく,編集内容に着目したリビジョンマップを作成した。編集内容は,入力(1文以上の追加,削除および修正),校正(1文未満の修正および削除),入力なし(変更なしまたは文字を伴わないスペースや改行,フォントなどの修正)の3種類に分類してセクション単位で編集者毎に集計した。編集内容の分類を色で区別し,編集者毎に完成までの変更履歴を時系列のマトリックスで表示することで,レポート完成までの編集の様子を視覚化できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の研究計画では,協働レポート作成プロセスの理解および定量化のための要素抽出を予定していた。その手法として編集内容の変更履歴をセクション単位で編集者毎にリビジョンマップを作ることにより,レポート完成までのプロセスの概略が可視化できたことで今後の分析のための準備ができた。よって,おおむね計画通り進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
協働ライティングについて,これまで協働だけに注目してプロセス作成を見てきたが,レポート指導や評価にあたり個人のライティングプロセスに関する情報の取得も重要であると考えられる。編集内容に着目したセクション単位のリビジョンマップを過去に実施してきた協働ライティングで作成したレポートに適用し,教育効果やプロセス分析のための定量化やそれらの活用方法を検討して必要に応じて改良していく予定である。
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Causes of Carryover |
第5世代移動通信システム(5G)対応機種の増加が見込まれるため,予定していたデジタル機器の購入を見送って既存の機器で対応したことが主な要因である。現在のクラウド環境の利用に関しては現行の通信速度でも大きな支障はないが,高速通信に対応した新たなサービスが展開される可能性も考えられる。次年度以降5Gに対応したデジタル機器の発売状況をみながら購入を検討したい。 これに加え2019年度末の新型コロナウイルス感染症の拡大のため、予定していた学会の現地開催が中止となり出張旅費が抑えられた。現在も学会の現地開催の中止や,出張の自粛が求められているが,解除されれば旅費に充当する予定である。
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