2022 Fiscal Year Research-status Report
トークンエコノミーを活用したアクティブラーニングのための新しい学習評価方法の研究
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19K03020
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
尾関 基行 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (10402744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 志穂 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (80441236)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アウトプット型学習 / Tweet-to-Learn |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の申請時の目的は、アクティブラーニングの学習者が学びのプロセスをソーシャルネットワークへと発信し、それに対するインターネット上の反応を“評点”とする新しい学習評価手法に挑戦するという試みであったが、ブロックチェーンを用いたークン実装についての情勢的な難しさなどから、目的の前半部分「学習者グループで発信状況を可視化する」に焦点を移して進めている。 その目的に対して、同じグループに属する学習者(同じ授業の受講生・同じゼミの学生など)が、学習した内容をSNS(本研究ではTwitter)に発信して学びを深めるアウトプット型学習において、その発信状況(発信数・いいね数・拡散数・コメント数など)をウェブページにまとめて表示するシステムを構築した。2022年度には、他人と比較するだけでなく、自分の日々の発信状況をグラフ表示することで、過去の自分との比較ができるように改良した。 このシステムを用いて、2021年1月から2ヶ月間の実験(日本教育工学会2021年秋季全国大会にて報告)、2021年10月から3ヶ月の実験(日本教育工学会2022年5月研究会と同会2022年10月研究会で報告)、及び、2022年10月から2ヶ月の実験(日本教育工学会2023年春季全国大会にて報告)と、比較的長期に渡る実験を3回実施してきた。 いずれの実験でも、申請者のゼミに所属する大学生に1日1回を目安としてSNS発信(学んだこと/調べたことを報告)を依頼し、その発信状況を可視化するウェブページを生成して学習者グループで共有した。その結果、あくまで主観的ではあるものの、提案手法が学習者たちのモチベーションの維持に繋がることを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アクティブラーニングを対象とする研究のため、COVID-19の影響で全体としては遅れてしまっているが、2022年度までに3回の比較的長期の実験(2ヶ月・3ヶ月)を実施し、それに伴ってシステムを順次改善することができた。 2021年度時点では生成に数秒かかってしまっていたウェブページ(学習者の発信状況一覧)は、Twitter APIとのあいだにデータベースを入れることで1秒未満に短縮された。また、類似した設定で3回の実験を繰り返したことで、時期的な要因に関わらず、自主的なアウトプット学習の障壁となっている要因が掴めてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
全体としてCOVID-19の影響を受けて遅れていたため最終年度を1年延長したが、必要なデータは2022年度までの3回の実験で得られたため、2023年度はそれらの結果をまとめ、論文等にて発表する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響による1年の研究期間延長に合わせて、論文作成や追加実験に必要な経費として次年度使用額を残した。
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