2019 Fiscal Year Research-status Report
A Development and Evaluation of Teacher Education Materials Resources in Construction of School Network between Schools Integrating Elementary and Middle School Education
Project/Area Number |
19K03031
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
小柳 和喜雄 奈良教育大学, 教職開発講座, 教授 (00225591)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小中一貫教育 / 学校間ネットワーク / Professional Learning / Teacher Agency / 個別最適化 / 指導と評価の一体化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで研究代表者が小中一貫教育、スマートスクール事業で共同研究を進めてきたA市、小中一貫教育を進めているB市の協力を得て、評価情報を活かした授業の改善、学校の改善に向けた学校間のネットワークの構築(Professional Learning Network)を目指すものである。そして、それを持続的に発展させて行くために、Teacher Agency(行為主体)に着目し、その要素・特性を明らかにするとともに、学校を越えた柔軟な研修組織のモデルケースの構築、そこで用いる研修資料群の開発とその運用評価を目的としている。 1年目の研究では、①学習情報と授業改善を結びつけた「個別最適化学習」の研修内容と方法の検討、②Professional Learning Network(PLN)の構築に向けてその要素の明確化と利用するWWWの仕組みのデザイン検討、③Teacher Agencyの要素・特性の明確化に関わって基礎研究を行った。 ①に関しては、A市とこれまで進めてきた個別最適化学習と関わる取組である「学びA」の取組について研修内容と方法の分析とその結果の検討を行った(ICoME2019で発表)。②に関しては、英国でProfessional Learning Networkの研究を進めてきたChris Brown氏と連絡を取り、東京と英国で2回、対面の会議の時間を設け、本研究のPLNデザインに関する専門的な知見の提供を受けた(日本教師教育学会で部分的に成果を発表)。③に関しては、先行事例である英国(スコットランド)の取組についてMark Priestley氏を訪問し、Teacher Agencyの概念についての論議を通じて、それを日本の取組で考えていく際の手続きを明確化すると共に、それを実践に組み込んでいく際の要素・特性について、論議を行った。成果は秋以降発表予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の研究で予定をしていた、以下3点を予定通り遂行できたため。 ①学習情報と授業改善を結びつけた「個別最適化学習」の研修内容と方法の検討、についてデータの整理を行い分析と解釈を行うことができた。 ②Professional Learning Network(PLN)の構築に向けてその要素の明確化と利用するWWWの仕組みのデザイン検討について、国際的に本研究をリードする研究者と会議を持つことができ、情報の収集ができた。 ③Teacher Agencyの要素・特性の明確化に関わって、文献調査と国際的に本研究をリードする研究者と会議を持つことができ、基礎的概念の整理を行った。 しかしながら2020年3月に発表予定であった国際学会の出張が新型コロナウイルスの問題が生じできなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、1年目の研究成果について、まず国内の学会で成果発表をする。 次に、協力いただいているA市、B市での小中一貫教育の取組と関わって、④「個別最適化学習」とカリキュラム評価を連動させた研修内容と研修方法の明確化について、1年目のデータ分析と解釈から見えてきた結果を活かして進める。 そして⑤「個別最適化学習」の研修支援としてPLNの運用をWWWシステムを用いて検討する。その運用方針をより明確にし、試行し、試行評価を行う。 最後に⑥「個別最適化学習」とカリキュラム評価を連動させた研修支援について、PLN運用がどのように可能か、国内外の関連先行研究を調べながら、その基礎研究を進める。 この3つを通じてPLNを用いた教員間の自主研修と、学校間ネットワークの構築に向けた導入研修を企画し、その運用のための基礎知見を明らかにする。
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Causes of Carryover |
2020年3月に国際学会で研究成果発表を予定していたが、新型コロナウイルスの問題で、渡航ができなくなったため。
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