2021 Fiscal Year Research-status Report
学校図書館における教科学習のための教員支援に関する研究
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19K03038
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
大平 睦美 京都産業大学, 文化学部, 教授 (70633329)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学校図書館 / 教科学習 / 教員支援 / 資料評価 / 公共図書館 / 教育ネットワーク / アプリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年10月より千葉市立中央図書館を中心に、同市立小学校、中学校と連携しアプリを使った図書館資料の評価を交流する実証実験を始めた。教科学習のための教員支援を目的とするため広義の図書館資料とはせず、教科学習に限定した評価とした。具体的には、中央図書書館がもつ学校用団体貸出資料50セットと小学校、中学校においては教員から依頼があった教科学習用の図書館資料についてアプリに書誌情報を登録、利用についてのコメントは、返却時のアンケートを作成し、授業担当の教員へのインタビュー(フォーマットを活用し全て同じ内容の質問である)をもとにアプリケーションに入力している。入力された情報は中央図書館と研究校で共有しており、得られた評価をもとに提供資料の質の向上を図っている。 返却アンケートのために、教員にインタビューすることで、これまで難しいと考えられていた教科担当の教員と学校司書が、授業内容について打ち合わせる機会が増加したことが実証実験の効果として得られてたこ。このことは、今後の遠隔レファレンスの活用に期待が持てると考えている。 また、月に1度は図書館担当者、学校図書館担当者、千葉市教育委員担当者、アプリケーション開発企業担当者、PC技術者とミーティングを開催し、振り返りと課題について改善策などを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において、学校現場では授業体制の改革が必要となり、当初2021年4月から予定されていた実証実験が、同年10月から実施されたことで、前期の資料活用についてのデータ収集ができなくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
協力校の中学校では、学校図書館を活用した教科学習が増加し、学校司書だけでは入力が困難になったため図書館担当教員や図書委員にも協力を得て入力を継続しデータの蓄積をはかる。また、市立中央図書館においては、データを分析しセット資料の見直しを図り、電子ブックやインターネット情報を含めた資料の改善を行う。 市内中学校では研究校を希望する学校があり、実証実験を拡大することで、離れた場所でも教科学習の資料を検索、評価を見ることができる遠隔レファレンスをより活用できる環境を整え、遠隔レファレンスに適したアプリケーションの開発に取り組みたい。 収集したデータについては文章による分析を行い、教員が各教科、各単元学習で必要とする資料の特徴を明確にし、資料選択に役立てる予定である。
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Causes of Carryover |
実証実験がコロナ禍のため約半年遅れて実施したことと、国際学会のでの発表をオンラインで行ったことにより、図書予算との差が生じたためである。2022年度は、実証実験の継続と、国際学会(アイルランド)においては、対面での実施のため現地での発表を行う予定である。
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