2019 Fiscal Year Research-status Report
ナッジを用いた健康促進システムの開発と学習効果の検証
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19K03039
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 裕美子 大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (40288767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安留 誠吾 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (50252721)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ラーニングアナリシス / ナッジ / 健康増進 / 学習効果 / 歩きたくなる大学づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:本研究では,(1)学生の健康促進を目指した生活習慣の改善や運動促進,心拍数などの生理応答が,出席率や学業成績,留年/退学率とどのように関連するか統計的に分析し,学業成績のアップを可能にする健康増進および身体活動関連の因子解明を目指している.また,それとともに,(2)健康増進および身体活動を促進する取り組みとして,「思わず歩きたくなる大学づくり」のシステム開発を行うことを目的としている.「思わず歩きたくなる大学づくり」とは,ナッジを利用し,学内を思わず歩きたくなるしかけを用意し,歩くことにより,心身の活性化を計り,ひいては,学業成績の向上を目指すものである. 実施内容:2019年度は,(1)300人規模のwebアンケートで学習者の行動や体力等から成績アップを促す因子の分析と,(2)学習者の日常生活の行動(歩数や心拍数など)をウエアラブル機器で計測するための機器選定を行うことを目的としていた. (1)予定では300人であったが,実際には,大学1年生および2年生を対象として, 800名を対象とした33項目の形態計測や体力測定を行った.その後,同対象者について,定期的な運動習慣の有無,就寝時間,食事等の生活活動アンケートを行なった結果,600名から回答を得た.現在,これらのデータを精査し,学習者の行動や体力と成績との関連性について検討を行なっている. (2)ウェアラブルデバイスの選定については,リストバンド型活動量計SilmeeTM W22, TDKを購入し,どの程度データが取得できるか検討を行ない,実験参加者の負担が少なくなるよう自動でデータを収集する方法等の検討を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)300人規模のwebアンケートで学習者の行動や体力等から成績アップを促す因子の分析と(2)学習者の日常生活の行動(歩数や心拍数など)をウエアラブル機器で計測するための機器選定を行うことを目的としていた. (1)については,実際には,大学1年生および2年生を対象として, 800名を対象とした33項目の形態計測や体力測定を,その後,同対象者について,定期的な運動習慣の有無,就寝時間,食事等の生活活動アンケートを行なった結果,600名から回答を得ており,当初予定の倍のデータが収集できている.しかし,当初よりデータ数が増えたため,解析が予定より遅れているため,至急,分析結果を明らかにしたい. (2)については,概ね予定通り進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,引き続き,600名分の生活活動調査と成績の関連因子を解析するとともに,2019年度に検討し購入したウエアラブルデバイスを用いて,30人程度の行動と心拍数の連動データの取得し,成績と行動&心拍数等との関連を明らかにすることを目的としている.具体的には,心拍数と歩数から運動強度の推定を行うことにより,より詳細な活動データと成績の関連を検討する.また,「時間単位」で集取した詳細な睡眠および授業中の心拍データ等の生理応答から成績との関連が深い因子を抽出することを目標としている.しかし,現在,新型コロナウイルス対策で,オンライン授業であるため,実験参加者を募集できないので,実験参加者にデバイスを渡して計測してもらう時期は,後期を計画している.
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Causes of Carryover |
複数のウェアラブルデバイスを購入して検討する前に,適切なデバイスが見つかったため,そのデバイス代が未使用額となった.未使用分は,2020年度では,「思わず歩きたくなる大学づくり」に必要なデジタルサイネージの検討のための費用およびウエアラブルデバイスとペアリングして使用する携帯デバイスの購入費用として使用する.
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