2020 Fiscal Year Research-status Report
船員技能の早期習得のための係船状態の見える化システムの開発
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19K03048
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Research Institution | Yuge National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
二村 彰 弓削商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (90332080)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 複数の計測装置作成 / 複数の計測装置の遠隔表示機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の意義は、船員教育分野において、船舶運航技術の習得のみならず,船舶機器の情報処理,衛星通信,陸上からの遠隔サポートなどの知識・技能を新たに備えた新しい海技人材を教育するとともに、船員労働環境分野において、船員を目指す若者や女性が働きやすい労働環境の効率化を図ることである。そのため、本研究は、船内環境の見える化推進と船員技能の早期習得を目的にした「船員技能の早期習得のための係船状態の見える化システムの開発」を実施している。 令和2年度の研究実績は、昨年度に完成させた係留ロープ張力計測表示装置を6個作成し、各係留ロープにその装置を設置することにより、実船舶において実験を実施できたことである。この事により、全ての係留ロープ張力変化を計測できるようになり、船舶の6本の係留索張力データをクラウド上に集約して一覧表示することを実船舶において実施できた。また、係船港から離れた遠隔地において船舶係留状態をいつでも確認できることを実証することができた。具体的には、ArduinoをベースとしたM5Stackというマイクロコンピュータとロードセルセンサー(SC301A 100kg)及びAD 変換器(HX711使用ロードセルセンサー用ADコンバータモジュール基盤)を組み合わせ係留ロープ張力計測表示装置とし、スマートフォン等の小型デバイスを通じてインターネットへアクセスさせ、係留ロープ張力の数値データを遠隔表示させることに成功した。このことから、係船状態の見える化システムの開発については、ほぼ達成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、船内環境の見える化推進と船員技能の早期習得を目的にした「船員技能の早期習得のための係船状態の見える化システムの開発」を実施している。 具体的な到達目標として、(1)船舶係留ロープの張力を測定できる係留ロープ張力測定装置の開発(2)測定した係留ロープ張力測定数値を遠隔表示ができる機能の開発(3)船員を志す学生に開発装置を使用してもらい教材として確認してもらうことを挙げている。すでに令和元年度までに、(1)と(2)の到達目標におおむね達する事ができているが、(3)の到達目標が達成できていない状況である。理由は、新型コロナウイルス感染症対策のため、学生の対面授業ができず、(3)に関する実験ができなかったためである。また、複数の係留ロープ張力測定装置の通信機能に改善点もある。以上の2つの理由により進捗状況の説明とする。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の計画として、複数の係留ロープ張力測定装置の通信機能の改善作業を実施し、リアルタイムに係留ロープの状況を確認できるようにする予定である。また、新型コロナウイルス感染症対策により止まっていた実験を再開させ、係留ロープ張力測定数値データを使用者(学生)に分かりやすく理解してもらうために、学生の意見をもらい測定データの表示方法に工夫を重ねる予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた実験が新型コロナウイルス感染症対策のため中止されたためである。この実験では開発装置の被験者となる複数の学生が、新型コロナウイルス感染症対策により学校へ登校することができなかったため、やむを得ずに実験を中止とした。次年度はこの実験に使用する実験装置および解析用パソコンを購入する予定である。
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