2023 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児に対するICT導入の事前検討の促進を志向したアプリ検索システムの開発
Project/Area Number |
19K03055
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
小川 修史 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (90508459)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / アプリケーション / ICT活用 / 実践事例 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,特別支援教育に携わる教師を対象に,アプリ活用の事前検討を促すことを志向したシステム「アプリ@コンシェルジュ」の構築を目指している。本システムは事前検討すべき内容について,システムとの対話を通して教師に検討させる「検討フェーズ」と,事前検討の結果に基づき最適なアプリおよびアプリを用いた指導事例を推薦する「推薦フェーズ」により構成される。つまり,ユーザである教師にとっては,アプリを検索する過程で事前検討を実施させることが可能になる。 システムの構築にあたり,検討フェーズにおいては,教師とシステム間の対話を実現するための体系化された知識が必要と考えた。申請者はこれを「Pre-AIM(Prior Examination - Application Introduction Model)」と定義し,ICTの事前検討場面を収集・分析することによるPre-AIMの構築を本研究の第一の目的とする。次に,推薦フェーズにおいては,アプリと指導事例に対してメタデータをPre-AIMに基づき適切に付与することで,これらの推薦が可能になると考えた。そこで,アプリと指導事例に対してメタデータを付与したうえで,プロトタイプシステムを用いた実運用を通して精錬することを本研究の第二の目的とする。 2023年度はPre-AIMの精錬作業,およびプロトタイプシステムを構築した.プロトタイプシステムはOpenAI社のGPTsを採用し,生成AIを前提としたシステムに変更した.また,オントロジーにより構築したPre-AIMをシステムに組み込み,一般公開に向けた準備が完了した段階である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトは,「フェーズ1:アプリの収集とアプリ導入の観点でICFの分析を実施」「フェーズ2:事前検討事例の収集・分析,およびPre-AIMの試作」「フェーズ3:事前検討事例の追加収集およびPre-AIMの精錬」「フェーズ4:アプリおよび指導事例に対して,メタデータをPre-AIMに基づき付与」「フェーズ5:プロトタイプシステムの実装」「フェーズ6:プロトタイプシステムを用いたPre-AIMおよびメタデータの精錬」「フェーズ7:アプリ@コンシェルジュの一般公開に向けた検討・開発」「フェーズ8:アプリ@コンシェルジュの一般公開および評価」の8フェーズで構成され,フェーズ5・6が2023年度,フェーズ7・8が2024年度となる. 当初の予定では,2023年度に「フェーズ5:プロトタイプシステムの実装」「フェーズ6:プロトタイプシステムを用いたPre-AIMおよびメタデータの精錬」を実施する予定であったが,2024年度に実施予定だった「フェーズ7:アプリ@コンシェルジュの一般公開に向けた検討・開発」を前倒しすることで,「フェーズ8:アプリ@コンシェルジュの一般公開および評価」に割く時間を確保した.ただし,コロナ禍によりフェーズ1からフェーズ4の遂行を延長せざるを得なかった点を鑑み,「(2)おおむね順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は「フェーズ8アプリ@コンシェルジュの一般公開および評価」の実施を予定している.GPTsとは,AI(人工知能)の一つであるChatGPTを基盤に,個別のニーズに合わせてカスタマイズを可能としたシステムであり,カスタマイズされた一つ一つのChatGPTはGPTと呼ばれる.作成したGPTはGPT Storeを通じて他者に共有する機能があるため,独自のチャットボット作成や公開のしやすさといった利点があることから,本機能を採用することとした.現在はオントロジーで構築したPre-AIMをGPTに学習させることにより,コミュニケーション機能の精度を高めている段階である.2024年度はGPTs上で一般公開することでシステムの妥当性について評価する.
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Causes of Carryover |
システム開発のために外部業者に委託することを予定しており,2024年度に費用が必要であることが予測されることから次年度使用額が生じた。2024年度はシステム開発と評価に使用する計画である。
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