2020 Fiscal Year Research-status Report
Learning Analytics based on Fine-Grained Activity History in Programming Education
Project/Area Number |
19K03056
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 元喜 千葉工業大学, 工学部, 教授 (00334053)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | プログラミング学習 / WebIDE / ソースコード編集 / キャレット操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年に引き続き、Webブラウザ上で動作するプログラミングエディタによる編集操作ログの記録と分析を行った。編集操作ログの記録については、研究代表者の所属が変わったことで、前年までとの科目や演習との連続性が保てなくなったため、経年的な変化は来年度分との比較で行うこととした。また、コロナの影響もあり、大学の演習室ではなく大学が貸与したiPadで演習を行う学生が多かった。学生によってはiPadでも外付けキーボードを使用していたため、こうしたデバイスや端末の差による影響を軽減する仕組みについて今後検討が必要である。 編集操作ログの分析については、昨年度に学習活動の種別によって分類したうえで、活動内容と実施条件が比較的統一されている「試験」のデータを中心に進めた。まずはエディタ操作量の特性を調べるため、2018年と2019年の中間試験・期末試験のログについて、BS・DELキー/ Enterキー/カーソルキー/文字キーの押下数/保存回数/操作イベント数が、どの程度成績に寄与しているかを決定木で分析した。その結果、BS・DELキーの使用が86回より少なく、Enterキーの使用が多く、操作イベント数が少ない場合に高成績グループに分類されることがわかった。またカーソルキーの押下数そのものが全体の成績に寄与する割合はあまり高くはないが、BS・DELキーの使用が多く、保存回数が少ない回答群については、カーソルキーの使用が多い回答のほうが良い成績になるという結果が得られた。このため、キャレット操作やカーソルキーといったソースコード内容に直接関与しない操作イベントを取得して解析することで、学習者の状況把握の精度を高めることができる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の異動により、日常業務の定常化および研究実施に不可欠な公開サーバ類の設置と設定に時間を要した。特に、ネットワークポリシーの厳格化への対応と、ルータとスイッチの相性による不具合事象の発見と解決に時間を要し、公開サーバ類が安定して稼働するようになったのは10月末頃であった。新しい授業科目の準備に加え、新型コロナウイルスによる入構制限や追加業務が、研究時間の確保および環境整備に影響した。
|
Strategy for Future Research Activity |
ソースコード編集過程にキャレットの情報を含めた刺激と、含めない刺激を用意し、学習者の状況や意図が操作履歴から読み取れるかどうかについて、まずはTAや教員の観点を模した被験者実験を行い、キャレット情報の有用性や優位性を示す。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、旅費の支出が減少したため。 使用計画:研究補助・支援および被験者実験の謝金に使用する。
|