2019 Fiscal Year Research-status Report
地理的素材・手法を取り入れた総合的防災・減災教育プログラム開発
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19K03058
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
竹内 裕希子 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (40447941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣内 大助 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (50424916)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 防災教育 / 地域情報 / 平成28年熊本地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は防災・減災教育プログラムに地理的素材・手法を取りいれる方策について検討することを目的としており,今年度は下記の6つを実施した。 1.平成28年熊本地震を踏まえて行われた総合調査の研究成果を学校における防災教育教材へ活用する方法について, テキストデータマイニングを用いた総合調査成果を理解するために必要な用語抽出を行なった。調査全調査観測項目で共起した語は「地震」,「断層」,「熊本」,「分布」であった。調査観測項目は単独でつながりの無い語が多く項目ごとに個別な議論がなされていた。2. 小中学校における地学,防災・減災分野を取り扱う教科書調査を行い,避難行動や防災・減災に関連した社会の仕組み等社会科学的な項目は,小中学校の幅広い学習範囲で扱われており,演習の形をとった項目も多く見られた.しかし教科書内ではハザードマップ等地域性の高い教材を用いた演習例が掲載されていたのは中学校地理科のみであった。3. 熊本県内の学校教育現場における総合調査成果活用可能性(アンケート調査)は,全体的に扱いが困難であるという意見であった。映像やプレゼンテーション資料等の視聴覚補助教材のニーズが多かった.また地表面震度分布等災害リスクをイメージしやすい成果物は有用性が高かった.4.平成28年熊本地震で被害が甚大であった益城町幼稚園・保育園・小学校・中学校20施設を対象にヒアリング調査を行い,熊本地震時の状況とその後の防災・減災対策,防災教育の取り組み状況と課題を明らかにした。5. 益城町広安小学校において4年生全児童を対象に地域理解と防災教育を題材としたまち歩きと地図作成を実施。6. 益城町全世帯(13,000世帯)を対象としたアンケート調査(分析中)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は熊本県内の学校施設や熊本県教育委員会,益城町の協力もあり順調に調査を行うことができた・
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は概ね順調に進展した。しかし,2020年1月から世界中で感染が広がる新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から,学校現場は休校処置が2月から行われており,2020年度に向けた学校防災の具体的取り組み等について学校と打ち合わせを行うことも困難な状況となった。2020年度は実施計画の大幅な見直し等が考えられるが現時点で見通しが立っていない。
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Causes of Carryover |
2020年度は3年間の研究期間の2年目を迎える。1年目の成果を基に2020年度は防災・減災教育プログラムの構築と実施について取り組む。助成金はその構築と実施に係る物品購入や人件費,旅費に利用する予定である。但し,2020年1月から世界中で感染がみられる新型コロナウイルスの影響で防災・減災教育プログラムの実施が行えない可能性がある。状況を察しながら研究が遂行できるように取り組んでいく予定でいる。
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