2021 Fiscal Year Annual Research Report
中小企業の労働生産性向上に向けた「気づき」能力育成法の研究
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19K03062
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
中村 潤 中央大学, 国際経営学部, 教授 (80532994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永吉 実武 静岡大学, 情報学部, 教授 (80620616)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 組織記憶 / 組織学習 / ナレッジリポジトリ― / 内発的動機付け / 技能伝承 / 比較分析 / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)中小企業の対象として(株)三技協とは長く定点観測をさせていただきながら、「失敗からの学び」の典型的なプロジェクトである反省塾に関してこれまでの蓄積データから、より深く分析と考察を重ねた。第一に、失敗を共有する内発的動機付けに与える要素を分析した。知識共有すれば自らは不利益を被ることもあり、心理的にネガティブに感じる一方で、自己決定論に基づく知識共有行動の動機付け、すなわち、自律性とコンピテンシーが共有意欲を促進するという仮説をたてた。この関連性について考察した(IEEM 2021年12月)。第二に、反省塾で活用されていたサイバーマニュアルについては知識マネジメントの中核ツールであり、このコンピューターを利用した組織記憶により、かえって組織的な一員としての記憶(組織的記憶)を弱めるものか強化するものなのかどうか、を考察した。コンピュータは直接的に組織記憶を強化するのではなく、組織的なアチーブメントがコンピュータを活用するルーチンにより組織力を高める可能性があることを示した(IEEM2021年12月)。第三に、反省塾においてはある意味「創造性」に対しては遠い概念のよう感じるものの、その可能性に光をあてて、反省することで何かアイデア出しのような創造的な活動につながるのかの考察を行った(IEEM 2021年12月)。 2)上記とは別のタイプの中小企業においては、昨年度に続き陶芸のテーマに取り組んだ。今年度は新たに別の陶芸家の協力を得て、同氏とその弟子である見習いとの間の取り組みの差異を明らかにしてきたIEEM2021年12月)。このほか、日本パイプシステム株式会社のご協力を得て、プレス加工や検査の技能育成に向けて実験を重ねて、新人とベテランの差異分析を行った。
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Research Products
(11 results)