2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K03069
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
兵頭 和人 神奈川工科大学, 創造工学部, 教授 (10271371)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 組み込み技術者養成 / 学習支援システム / 産学連携 / IoT / センサ―フュージョン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「座学における体験的演習(座学において得た知識の定着し活用する力の育成)」、「企業における新人研修(製品開発に必要な技術の学修)」及び「機能試作構築演習(現実の問題に応える技術力の育成)」などの高度技術者育成用の演習や研修を低コストで実現するための教材及びシステム構築ツールを開発することである。 令和元年度は教材システムの基本要素の開発、機器開発を行う準備段階の研修において使用する教材及び管理システムの開発を行った。教材の基本要素として再構成可能な周辺回路モジュールとWebブラウザ上で動作するプログラミング環境の開発を行った。Webブラウザを介して計測/制御を行うシステムとすることにより、ユーザインタフェースを有する小型教材を開発することが可能となり、PCを用意できない環境下でも高機能なGUIを利用した演習/研修を行うことが可能となった。また、周辺回路モジュールは、プロトタイプ試作(機能試作)演習時のターゲットとしても利用するために、CPUを装備し、開発用端末を切り離した状態で単独動作可能な構成とした。 さらに、演習や研修の内容に応じた教材システムの構成を行う管理システムの開発を行い、修士課程の学生向けの授業において実施試験を行った。開発した管理システムを用いることにより教材準備にかかる時間が短縮し、より多くの体験型演習を実施することが可能となった。 大規模なシステムは、システム全体を機能単位(サブシステム)に分割して開発作業を進めている。そこで、グループ内の研修者が各自担当のサブシステムを開発し、それらを統合する演習を実施するために、複数のサブシステム間のデータ交換を行うための通信実験モジュールを開発した。複数のサブシステムを統合する演習を行うことにより、各サブシステム間の通信仕様などのディスカッションを演習に組み込むことが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、研究期間内に高度技術者育成用の演習や研修を低コストで実現するための教材及びシステム構築ツールを開発することである。 本年度は、準備段階の研修において使用する教材、教材管理システム及びグループ開発演習に使用する教材の開発が予定通りに進捗している。また、次年度に実施予定の連携企業開発案件に対する準備も進んでいる。以上から、今年度の進捗状況を「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度:学習した内容を定着させるためには、自宅での学習も不可欠である。自宅での学習を円滑に進めるためにはシミュレータの果たす役割が大きい。そのため、学習/研修計画に沿った多様なシミュレータを短時間で構築するシステムの開発を行う。 教材に関しては、令和元年度に開発した演習教材の改良を行うとともに、動作計測/センサフュージョン含む演習/研修を追加するために計測モジュール(加速度、角速度、地磁気、室内測位)の開発を行う。 研修プログラムに関しては、大学生参加型開発の練習用開発案件の策定、連携企業からの依頼案件を題材に大学生参加型開発を実施する。 令和3年度:小規模ネットワーク構築を含む演習/研修を行うために通信モジュールの開発を行う。大学生参加型開発の実施評価結果をもとにシステム及び研修内容の改良を行い、連携企業からの依頼案件を題材に大学生参加型開発(第2期)を実施する。 本研究で得られた成果(ソースコード、回路図、教員/研修担当向けマニュアル等)を公開するための準備を行う。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の所要額と実支出額は異なったが、研究計画に変更はなく、当初予定通りの計画を進めていく。
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