2019 Fiscal Year Research-status Report
作業療法学生を対象とした精神障害領域の臨床実習に対する自己効力感尺度の開発
Project/Area Number |
19K03072
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
吉村 友希 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (80814384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與座 嘉康 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (90461631)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 尺度開発 / 自己効力感 / 臨床実習 / 作業療法学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
作業療法学生にとって臨床実習は、作業療法士としての素養を身につける重要な場である。しかし、精神障害領域の臨床実習では、障害者との接触経験の乏しさから学生の問題が露呈することが多い。 本研究では、実習を遂行可能にする要因の一つとして自己効力感に着目し、作業療法学生を対象とした精神障害領域の臨床実習に対する自己効力感尺度の開発を目的とする。方法は、①作業療法学生と作業療法士に対して実習に関する聞き取り調査の実施、尺度項目の作成、②作業療法学生を対象とした予備調査、③尺度の妥当性と信頼性の検討である。尺度の開発により、学生の自己効力感に合わせた教育の介入や教育の効果判定が可能になると考えられる。 2019年度は、尺度項目作成のための聞き取り調査と調査データのコーディングを行った。具体的には、まず、精神障害領域の臨床実習を履修済みの作業療法学生24名に対して、精神障害領域の臨床実習での自信、実習場面で問題が生じた際の対処行動や努力等について、聞き取り調査を実施した。また、精神障害領域で作業療法学生の臨床実習指導を行っている作業療法士2名から精神障害領域の臨床実習の自己効力感が高い、あるいは、低い作業療法学生のイメージについての聞き取り調査を行った。次に、上記調査によって得られた情報をBanduraの先行要件および結果に関した項目に演繹的にコーディングした。先行要件とは、自己効力感を高めるための有効なアプローチであり、結果は、自己効力感によって得られるものである。 今後は、行動遂行に対する自分の能力を予測する自己効力感に関する項目のみを抽出し、精神障害領域の臨床実習に対する自己効力感尺度の試案を作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、尺度項目作成のための聞き取り調査と質問項目の作成を行う予定であった。しかし、聞き取り調査と調査データのコーディングまでは実施できたが、尺度の試案を作成するまでには至っていないため、そのように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、尺度の試案に取りかかり、予備調査及び予備調査の分析を行う。具体的には、精神障害領域の臨床実習を履修済みの作業療法学生40名に対し、精神障害領域の臨床実習に対する自己効力感尺度試案について予備調査を実施する。そして、各質問項目における回答分布の偏りについて検討する。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた学会がコロナウィルス感染拡大のため延期になった。次年度、学会発表のため旅費を使用予定である。
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