2020 Fiscal Year Research-status Report
小学校でプログラミング的思考を重視した授業改善可能な情報教育のシステム化
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19K03087
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Research Institution | Suwa University of Science |
Principal Investigator |
広瀬 啓雄 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 教授 (50228839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 剛 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 講師 (80712158)
平田 幸広 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 教授 (70238369)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / プログラミング的思考 / 初等教育 / 教育システム構築 / 教育改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の「問い」は,「プログラミング教育を実施するにあたり小学校の教諭が現場で継続的に授業改善するためには何が必要か?」である。解決策として,授業改善のヒントや議論の機会を作ることにより,小学校でプログラミング教育改善のPDCAが実践可能となり,真の目的にあった教育ができるシステム構築が,本研究の目的である。 このため,次の点に取り組む。①モデルカリキュラムの開発 (Plan) 1から6年生を対象としたプログラミング教育のモデルカリキュラムを構築する。1~2年生はアンプラグドコンピューティングを中心とした教材,3~4年生はビジュアルプログラミング言語,5~6年生はデータ処理をするためPythonなどキャラクタベースのプログラミングに挑戦する。②学習支援システムの構築および改善案の検討 (Do, Act) プログラミング教育の教材・ノウハウの提示,授業改善の議論を行うための支援システムおよびフォーラムを構築する。モデルカリキュラムを元に授業支援のために教材を電子化する。③教育効果測定方法の開発 (Check)プログラミング教育の事前と事後のテスト結果を解析することにより,教育効果を検証する。これらから得られたデータによる授業の振り返りにより問題点を顕在化させる。 2019と2020年度で①のモデルカリキュラム作成,教員へプログラミング的思考の教員への研修会,②では具体的なプログラミングの研究授業,情報共有システムの立ち上げ,③ではプログラミング的チェックのための質問紙(テスト)の検討を行った。 また,Gigaスクール構想の前倒しにより,プログラミング的思考だけでなく教育へICT活用も範疇として,情報共有,解決のためのサーバ構築,システム運用を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近隣の公立小学校を協力校として共同研究の契約を結び,2019年度にモデルカリキュラムの提案,情報共有サーバの構築・試験運用,教員研修会を実施した。教員研修会では,プログラミング的思考についての解説,アンプラグドコンピューティングの解説,フローチャートとゲームを織り交ぜた教材によるアンプラグドコンピューティングの研究授業を行った。 2020年度は,実際にカリキュラムの実践をする予定だったが,コロナ禍で授業の調整のためプログラミングの授業時間が少ししか確保できなかったが,授業実践,情報の共有を試みた。また,Studinoによる理科の授業実践により,プログラミング教育について意見交換をする機会を作った。また,2020年度にはGIGAスクール構想によりPC一人一台環境ができたために,直接的なプログラミング教育よりも,授業にPCを活用することによりが現場での要求されたため,プログラミング教育の情報共有だけでなく,PC活用のための情報共有の場として,本研究で運用している情報共有サーバが活用された。 授業でICTを活用することは,プログラミング教育にもつながるので,促進していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,コロナ禍での授業調整がないことを前提に,本研究で提案したモデルカリキュラムを,全学年度プログラミング教育として展開した。その結果を,情報共有サーバで提供することにより,利用の促進を図りたい。また,先生方がプログラミングについて学習する機会をつくり,学習支援を行う。 教員が自主的に教育改善が行えるように,教員組織にプログラミング教育部会を立ち上げ,リーダー研修的な勉強会を定期的に開催し,プログラミング教育の知見を広げる。この学習過程は,情報共有サーバにアップし,部会に参加していない教員でも閲覧可能な状況を作り,情報共有に努める。 1,2年生はアンプラグドコンピューティングを中心としたモデルカリキュラム,3,4年生はScratchなどのビジュアルプログラミング言語を使った授業,5,6年生は,ビジュアルプログラミング言語やPythonなどのプログラミング言語をつかったデータ分析(グラフ作成など)のための授業を計画している。課題は,ビジュアルプログラミング言語とテキストベースプログラミング言語の移行をどのようにしていくかである。ビジュアルプログラミング言語に慣れた児童が,テキストベースプログラミング言語に移行するとき,適応力に,大きな個人差が生じることがわかっている。このタイミングは,中学生の授業で行うべきかもふくめて,2021年度の課題としたい。
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Causes of Carryover |
2020年度はコロナ禍で授業日数の調整ができず,プログラミングの授業実践の回数が減ってしまった。このため,未消化の研究費が発生した。2021年度は2020年度の授業実践分も含めて計画通り研究を進める。
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Remarks |
小学校内のみで利用のため,パスワード必要
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Research Products
(3 results)