2019 Fiscal Year Research-status Report
研修歯科医教育を支援する学修教材の開発―指導者と学修者の働き方改革をめざしてー
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19K03088
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
鬼塚 千絵 (農蘇千絵) 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (60336956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 明子 明星大学, 教育学部, 教授 (30311145)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学修教材 / 熟達化 / 初学者 / 指導者 / 歯科治療 / 研修歯科医 |
Outline of Annual Research Achievements |
経験豊富な歯科医師(熟達者)の治療技術については、暗黙知や経験知の部分が多いので、それを次世代(研修歯科医や若手歯科医師)に事細かく説明し継承していくのは難しい。そこで、基本的な歯科治療に関する暗黙知・経験知を明らかにし、初学者が空き時間に効率的に学ぶことができる学修教材の開発をめざしている。 本研究に対して、本学研究倫理委員会から承認を得た。 本年度は、初心者がコツを知りたいと思う、歯科治療について研修歯科医10名に対しインタビューを実施した。また、研修スタート時、半年経過時、研修修了時に、研修歯科医を対象に経時的にアンケート調査を行った。インタビューの分析から、学生時代の細切れの見学やアシスタントベースとは異なり、歯科医師として責任を持って初診から終診まで患者の診療に携わっているが、国家試験の勉強だけでは解決しない戸惑いを生じていることが明らかになった。いろいろな動画があれば隙間時間に学修できるとの意見があがった。アンケート調査の分析から、歯科の治療内容だけでなく、電子カルテの使い方やカルテの記載方法など、研究スタート時には予想していなかったコンテンツも必要であるとの意見があった。 並行して、熟達者である指導歯科医(研究協力者)に対して、歯科治療時に何をポイントにしているのかコツをインタビューした。現在そのデータを回析中である。 動画については、印象採得(歯型をとる)を撮影したが、2名のみの撮影であったため、さらなる撮影が必要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究倫理委員会から研究に対する承認を得た。 初心者がコツを知りたいと思う、歯科治療について研修歯科医10名に対しインタビューを実施した。 また、研修スタート時、半年経過時、研修修了時に、経時的に研修歯科医にアンケート調査を行った。 並行して、熟達者である指導歯科医(研究協力者)に対して、歯科治療時に何をポイントにしているのかについてインタビューを実施した。 研修歯科医を対象にインタビューやアンケート調査を実施したところ、今後の研究の方向性も示す有意義な結果が得られたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研修歯科医に対してインタビューとアンケート調査を実施していき、必要なコンテンツについて抽出していく。 熟達者の指導歯科医(研究協力者)が歯科治療を行う場面を「全身」「術者の視点」「アシスタントからの視点」「見学者からの視点」の4方向からの動画撮影を行う。撮影後、術者に動画をみてもらい、その場面でどのように考えたのか説明しているものを動画撮影する。研究分担者(インタビューアー)に術者の説明ビデオを見せ、インタビュー内容を設定してもらい、インタビューにより秘伝技法の分析を行う。技術面の暗黙知を可視化(形式知化)するために、録画ビデオを見ながらインタビュー形式の質問と回答を繰り返していく予定である。 動画撮影では、患者の協力も不可欠であるが、協力を得ることが難しい場合は、シミュレーターにて実施を検討する。
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Causes of Carryover |
研究打ち合わせを3月に行う予定であった。しかしながら、COVID-19のため出張は極力避けるようにとの通達があったことから予定を中止した。旅費の支出が減ったために本年度使用額に残が生じてしまった。
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