2021 Fiscal Year Research-status Report
子どもを対象としたプログラミング能力と論理的思考力の因果関係の分析
Project/Area Number |
19K03090
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
松本 章代 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (40413752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 研 東北学院大学, 教養学部, 教授 (50313424)
稲垣 忠 東北学院大学, 文学部, 教授 (70364396)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プログラミング的思考 / プログラミング教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,子ども向けプログラミング教材を開発して実際に運用し,教育効果の検証をおこなうことである.本研究では,まずオリジナルのプログラミング教材を開発し,それを用いて継続的にプログラミング教育をおこなっていく.既存の教材との違いや学習前後の能力差などの観点からその教育効果を検証することを目指す.教育効果を測定するため,評価手法を検討し,論理的思考力との因果関係を明らかにする. 本年度の研究計画は次のとおりである.(1) 独自の子ども向けプログラミング教材を企画・開発する.(2) (1)の教材で子ども向けプログラミング教育を長期的・継続的に実施する.(3) 論理的思考力を評価する手法について検討を行いテストを作成する.(4) (3)のテストを用いて,プログラミング学習前後の能力差などの観点からその教育効果を検証する.(5) 学会・論文にて成果発表をおこなう. 実際には,昨年度に引き続きプログラミング教材の企画・開発をおこなった.その教材を用いて,9月以降に4週に1度のペースでプログラミング教育をおこなう子ども向けのイベントをオンラインで開催した.一方で,論理的思考力を評価するテストについても昨年度開発したものを踏まえ再作成した.その後,イベント参加者27名およびプログラミングスクールに通う小中学生56名を対象としてテストを実施した.この結果を分析したところ,イベント参加者については,プログラミング体験前後で得点の上昇傾向が明らかに認められた.また,イベントにすべて参加するようなプログラミングに意欲がある子どもは初回から得点率が高いことも確認された.プログラミングスクールの被験者については,次年度も継続してテストを実施したうえで分析をおこなう.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度末以降,新型コロナウイルスの影響により,プログラミングスクールに通う被験者を対象とした実験が,当初の計画どおりに進んでいない.その実験の回数不足によって分析対象データが足りず,長期的な教育効果に関する検証が不十分となっている.それ以外は概ね計画通りに進めることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き,独自の子ども向けプログラミング教材の企画・開発と,イベント開催を継続する.また,評価実験も継続していく一方で,規模(被験者数)の拡大も図る.さらに,評価実験結果を分析して教育効果を検証するとともに,既存の教材との比較分析を計画している.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は次の3点である.(1) 新型コロナウイルスの影響により実験の実施回数が計画より少ないままとなり,実験に使用する予算の一部が残った.(2) 世界的な半導体不足の影響により入手予定だった機器(マイクロビット数十個)が購入できなかった.(3) 計画していた視察調査や出張がオンラインになった. 次年度の使用計画は次のとおりである.(1) 実験を継続しておこないデータの不足を解消する.(2) 子どもたちのプログラミング教育に必要な機器を購入し,教育を実施する.(3) 可能な限り現地での視察調査をおこなう.
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