2019 Fiscal Year Research-status Report
PBL教育をオンラインで実施するための人工知能を用いた教育システムの研究
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19K03094
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 隆夫 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (30720370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新 聖子 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (00367450)
宮崎 慶輔 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (30640180)
袖 美樹子 国際高等専門学校, グローバル情報学科, 准教授 (70737022)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オンライン教育 / PBL / チャットボット / 人工知能 / テキストマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的であるPBL教育のオンラインでの実施は一層緊急度が高くなってきた。新型コロナウィルス感染の拡大に伴って一般教科科目での在宅学習用のWeb授業配信やオンライン教育の実施に注目が集まっている。講義形式の授業をオンラインで実施するのは授業の動画の配信と受講者・教員間のメール等による1対1の質疑応答で比較的容易に実施可能であり、一部の授業では取り入れられている。 一方でグループ活動を主とするPBL教育は学生同士や教員との密接なやり取りを必要とする。新型コロナウィルス感染の予防と相いれない授業形態である上に従来のWeb授業配信やオンライン教育では実施が困難であるため、新たな取り組みが強く求められている。 本研究では当初工学設計用のデザインプラットフォームを用いてオンラインでPBL教育を行うことを想定していたが、工学設計以外のPBL教育に広く使えるシステムとしてチャットボットを利用するシステムとすることにした。デザインプラットフォームの利用可能性の調査を行ったところ、デザインプラットフォームを用いたPBL教育は欧州での研究事例があり、学生のシステムへの習熟等での問題が指摘されていることが分かった。一方で学生はSNS等でのチャットシステムには慣れており、汎用的なPBLオンラインシステムとしてチャットボットの利用は学生との親和性が良いことが期待できる。実際に課外活動ではあるが、プロジェクト活動に学生がチャットシステムであるSlackを利用して成果を出している。 その他、システム構築上必要となるデータベース構築や学習状況評価方法の調査についてはシステム構築と合わせて随時進めていくこととしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)2019年度の教材要件の調査ではデータの収集とデータベースの統合・規格化を目指し、数年分の成果物を収集した。一科目1年分で150件ものMS WordやPower Pointファイルとなるため、テキストマイニング等を用いて順次内容の分類と関連付けを行っている。 2)2019年度の学習状況をモニターし分析・評価する仕組み設計の目標として、把握すべき学習履歴の確認を進めるためポートフォリオの活用について調査を行った。チャットボットを利用している事例もあり、参考にすることができている。 3)オンライン教育システムの試行に関する2019年度の目標は設計プラットフォームの調査であった。実績概要にも記述した通り、工学設計用のデザインプラットフォームでは学生のシステムへの習熟等での問題が指摘されていることなどから、学生との親和性が良いことが期待できるチャットボットを利用することとした。課外活動のプロジェクト活動にチャットシステムであるSlackを利用して成果を出していることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)教材要件の調査に関しては、引き続き収集したデータの分類と整理を進める。 2)学習状況をモニターし分析・評価する仕組みでは、チャットシステムでのやり取りの内容を分析するためのテキストマイニングの辞書の整備を進める。 3)オンライン教育システムの試行では、グループ討議をチャットシステムで試行し、チャットシステムを実施する上での問題点の抽出を行う。 <今後の課題>COVID-19対策で研究分担者・学生との対面での打合せ及び学生アルバイト業務(TA、SA)ができないのでそれぞれの作業での遅れが懸念される。
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Causes of Carryover |
研究代表者の国際学会発表のための海外旅費が当年度予算ではオーバーしてしまうため、本費用では充当できずに他の費用で充当し、次年度に繰り越しとなった。次年度(2020年度)には2件以上の国際学会での発表を予定しているため、繰越分は次年度の海外発表のための旅費予算として使用予定である。また、研究分担者の国内学会発表のための出張はCOVID-19拡大のため中止となった。当該費用についても2020年度の出張費用として使用予定である。
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Research Products
(3 results)